原因不明で、消化管で慢性的に炎症や潰瘍が起こってしまう病気を、「炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)」と呼んでいます。この炎症性腸疾患の代表格として、クローン病と潰瘍性大腸炎があります。今回は潰瘍性大腸炎です。

潰瘍性大腸炎とは

大腸

大腸に炎症を起こし、下痢と腹痛があります

クローン病と違っても名前の通り、大腸に起こる病気です。
大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患で、原因は不明です。直腸という肛門の近く、全大腸、左側の大腸に炎症が起こってしまいます。

潰瘍性大腸炎の症状

腸の病気ですので、腹痛と下痢で気づかれることが多いです。
主な症状は
  • 発熱
  • 下痢、腹痛
  • 下血
  • 体重減少・栄養障害
  • 疲れやすいなどの全身倦怠感
  • 貧血
などです。

潰瘍性大腸炎の疫学

20歳代にピークがあり、10歳代から発症が多く見られます。約1:1で男女で差はありません。現在、潰瘍性大腸炎が10万人以上の患者があり、年間8000人ほど発症しています。遺伝要因も報告されていますが、アメリカの患者数に比べて10分の1であることから、環境要因が言われています。

潰瘍性大腸炎の検査

内視鏡

肛門から内視鏡を入れて、大腸を観察します

内視鏡検査または消化管X線造影を行います。内視鏡検査は、腸の中の状態を見るために、内視鏡を肛門から入れて大腸を検査します。潰瘍性大腸炎だと、腸に潰瘍や赤くなった炎症があります。その部分の腸の組織を一部とって顕微鏡で炎症の程度などを検査します。内視鏡と消化管X線造影検査で、大腸の状態を検査します。最近は、内視鏡カプセルを使って、腸の状態を見ることができます。

血液検査を行うことがありますが、潰瘍性大腸炎特有の検査項目はありません。CRPという炎症反応をみたり、貧血の有無をチェックします。

次のページで治療と予後について説明します。