注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

注文住宅・家づくりの想定外って何?(2ページ目)

東日本大震災後、想定外という言葉が多く飛び交い、安心・安全な暮らしをつくるには自分自身の日々の積み重ねや、ひとつひとつの努力が大切なのだということを気づかされました。特に家づくりは家を選ぶことではありません。何もないところからつくるわけですから、まさに想定外のことが多くあります。『想定外は想定内』としてとらえておけば安心な家づくりができます。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

想定外とは主にどんなこと? その2

【間取り・設備機器で】
・夏の西日をもっと考えておけばよかった。冬至の日の当たりばかり考えていて、夏の暑いことはあまり考えてなかった。夏の西日は想定外の暑さである。

・フローリングの劣化を防ぐため、硬質のものを選んだが、夏素足で歩いていると夕方には疲れてくる。老後どうしよう。

・木造3階建てで屋上にルーフバルコニーを設けたが、だんだんと行かなくなった。10年毎に防水の保証が切れるのでその度メンテナンス費用は想定外にかかるようだ。

・中庭にあこがれて設けたが、日光が木の根元まで届かず、木の上半分しか花が咲かなかった。太陽高度のチェックをすべきだった。

・1階はタンクレスの便器を入れ、2階はタンク付の便器とした。災害時に水道が止まったが2階のタンク付は水がたまっていたので使用することができた。想定外の喜びであった。

・ショールームで製品を確認しながら進めたのだが、つい良いものを選び、最終工事金額は予算オーバーとなって再検討を余儀なくされた。良いものは高いので、全体のバランス調整は想定外の難しさがある。


想定外を回避する? 

人生の中で大きな買い物といえば住居ではないだろうか。大きな買い物程、誰もが検討を重ねます。しかし何事にも想定外は付き物です。特に目に見えないものは要注意です。住まいでは土の中、音、光、風、臭い、電磁波、イメージなどです。(予算もかな?)これらの中には事前に検討していれば当然回避できたり、また納得できるものもあります。

専門家のアドバイス、体験者の失敗の話し等を聞きながら自分の家づくりに活かすことです。そして各種保険も検討し、少しでも安全で安心な家づくりを進め、物理的にも空間的にも長持ちする住まいづくりを心がけることです。単に物理的に耐久性があったとしても、住まいは決して長持ちはしません。空間的豊かさが住む人の心を癒してくれるのでとても重要です。
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