先に引き、残りで暮らす、という発想がなぜうまいやり方か

「給料日前に貯める」も「給料日直後に貯める」も言ってしまえば同じように聞こえるかもしれません。しかし「先に貯める金額を引いて、残りで1カ月暮らす」ほうが、「貯金すべき金額を残せるように1カ月暮らした後に貯める」より簡単に実行できます。

なぜなら、精神的な痛みの違いがあるからです。同じ1万円の貯金も、給料が振り込まれた翌日ならたくさんある残高の一部ですから、痛みはあまり感じられません。しかし、給料日の直前であれば、少ない金額のほとんどを占める貯金は心理的に強い抵抗を覚えます。お金を貯めるのは、お金があるうちにさっとやってしまうのがいいのです。

先に引いておくことの2つめのメリットは確実性(と言い訳をできなくすること)です。先ほどの例えのように給料日前貯金ルールは「今月はいろいろ物入りだったので貯金はゼロでいいや」という言い訳を許してしまいます。しかし、給料日の翌日に先取りするやり方ならこうした言い訳が通じないし、実際にお金もまだあるので確実に貯めることができます

つまり、意志が弱い同じ人であっても、「給料日前に貯める」か「給料日直後に貯める」かのやり方を変えるだけで、お金を貯められるようになるわけです。

さらに「自動化」して強制的に貯める仕組みを作る

ただし、給料日の翌日に自分でATMに出かけ、お金を移し替えるようなやり方はダメです。先に貯めることをサボってしまうリスクがあるからです。

「いやいや、自分はちゃんとやるよ」という人は、給料日前日に貯められなかったという事実を思い出してください。苦しくて、面倒で、本当はやりたくないことは、避けてしまう可能性が高いのです。それはあなたが悪いというより、当然の感情です。

そこで「自動化」して勝手に給料日の翌日に貯められる、強制貯蓄の仕組みを追加してみます。

ほとんどの銀行では「積立貯蓄」のサービスがあります(詳しくは貯まる!銀行の自動積立、活用法へ)。これは、所定日に指定の金額を普通預金口座から引き落とし、定期預金等にしておくものです。最初に申し込みだけしておけば、あとは勝手に、強制的に、自動的に、自分は何もしなくても引き落としされ、貯蓄がスタートします。

「そんな簡単にできるわけがない」と疑っている人ほど、手続きをしてみてください。1年くらいすると「あ、貯まっていた」という感じになるはずです。最初は手取りの5%くらいを設定しておくといいでしょう。無理なく始められる割合です。できれば10~15%くらい貯められるとどんどんお金が貯まります。自分なりの割合を考えてみましょう。

強い意志なんかいらない!お金を貯めるのに必要なのは、ほんの少しの手続き!

今回のマネーハック、「そんなこと常識だよ」という人もたくさんいると思います。しかし、簡単なことほど、「いや……実は知りませんでした」という人がいるものです。知らない人は今日のコラムを参考に、ぜひ積立をスタートしてみてください。

「知っているよ。でもやってないけど」という人もいるでしょう。しかし、あなたはお金が貯まっていないという意味では知らない人と同じです。大事なのは最初の手続きだけなのですが、これが大きなハードルになっています。

次に銀行に行ったらATM脇のリーフレットで積立の申し込み資料をもらってきましょう。窓口が開いていればその場で手続きもできます。このコラムを読んだ今日を「貯める人生」の実行開始日にしてください。

すでに実行している人は、ステップアップを考えてみましょう。積立額を増やす手続きをしてみたり、「積立投資信託」の活用を検討してみてもいいでしょう。

積立貯蓄は定期預金ですからどうしても金利は高くなりません。経済成長の果実は預金の金利を平均的には上回ります。投資を学ぶ意味でも、投資信託の積立は最適です。

ちょっとの手続きが、省力化を実現し、確実に貯める第一歩になります。
ポイントは「自動化」です。ぜひスタートしてみてください。
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