実はフルモデルチェンジ
コンチネンタルGT 2012モデルイヤーの日本での販売価格は2415万円。ボディサイズは、4806mm×1944mm×1404mm。車両重量は、シート等の見直しにより初代より65kg軽量化され2320kgに
1919年の創業から1999年までの80年間で、ベントレーの累計の生産台数は約1万6000台だったところ、フォルクスワーゲン傘下となった新生ベントレーを象徴するコンチネンタルGTは、2003年から2010年までの7年間で、実に約2万3000台が生産されたとのこと。ベントレー史上で、かつてこれほどの成功作はなかったわけです。そのコンチネンタルGTが初めてのフルモデルチェンジを実施。日本では2011年春に発表、2011年夏よりデリバリーが開始されています。
イギリスのクルーという地名の地域にあるベントレーの工場で生産される。限られた生産キャパの中から日本への割り当ては年間30台前後という。サイドビューでは、ウエストラインが初代より高められたことで、スポーティでダイナミックなイメージを実現。写真のボディカラーはソリッドの「グレイシア・ホワイト」という「氷河」のように明るい白
一見したところマイナーチェンジかと思うほど、初代とあまり大きく変わっていないように見えますが、実はボディパネルは一新されているし、パワートレインやシャシーにも手が加えられています。まさにキープコンセプトのモデルチェンジだったわけですが、見た目の印象をあまり変えることがなかったのは、このクルマが成功作なればこそ、できるだけそのイメージを損なわないようにしたのでしょう。とはいえ、最近、初代コンチネンタルGTの中古車を購入した筆者の友人にいわせると、「(新旧では)けっこう違うと思った」とのことでした。
大胆に湾曲したダッシュボードと上質なソフトタッチレザーハイドで仕上げられたインパネ
インテリアも、センターコンソールを中心にT字型の左右対称とした、ベントレーの伝統に則ったデザインは初代と同じ。ただし、より立体的な形状とされ、素材のクオリティも高められています。さらに、小物を置くスペースを充実させるなど実用性に配慮されているのも特徴です。
後席の快適性向上にも寄与する、特徴的な「コブラデザイン」のシート。表皮の下にフォーム材のクッションレイヤーを設けたソフトタッチ構造を採用したことで、長期間の使用に対する耐久性にも優れるという
初代に比べ後席のレッグルームのゆとりが増した。初代ではシートバックに組み込まれていたシートベルトのアンカーが、2代目ではリアウインドー側に移設
シートベルトについて、初代はシートバックにアンカーが組み込まれていたところ、2代目ではリアウインドー側に移されているのが特徴で、おかげでシートユニットが小型化されています。シートバックの形状も変更されており、これらにより後席のレッグルームが拡大されています。こうしたラグジュアリークーペとしては、ちょっと意外かもしれませんが、コンチネンタルGTの後席は、いわゆる2+2ではなく、フル4シーターとして設計されているのです。
インパネに貼られた大きなウロコのようなパネルは、ベントレーの伝統的な加飾。レザーの「コントラストステッチ」も印象的