染色体について
細胞の中には、遺伝子を含む染色体が46本あります
ダウン症候群
22本の対になった染色体を順番に並べていき、21番目の染色体が1本多いのが「ダウン症候群」と言います。ダウン症候群特有の顔貌があります。- 頭が短い
- 丸い顔で首が短い
- 釣り上がった目
- 目と目の間が広がっている
- 鼻が広くで低い(鞍鼻)
- 舌が大きい
- 耳の形がおかしい(耳介変形)
ダウン症候群の原因
約1000人に1人発症すると言われています。発症頻度は妊婦の年齢によって異なり、35歳で300人に1人、40歳で100人に1人と言われています。原因は、染色体が精子や卵子になるときに、1本ずつの23本に分かれるのですが、その時に、うまく分かれずに24本になってしまう卵子や精子ができるためと言われ、母親で分かれにくいのが80%程度、父親で分かれにくいのが20%程度と言われています。これは、卵子は染色体が23本になっている時期が若い時に起こっていて、そのまま、長い間、23本になる中で、様々な要因で、染色体が傷つき、ダウン症候群が発症しやすくなると言われています。そのため、高齢出産で発生しやすくなります。ダウン症候群の症状
21番目の染色体が多いために、様々な症状がありますが、すべて出現するわけではありません。■精神・神経の病気
発達の遅れ、精神発達の遅れ、無熱で痙攣が起こる「てんかん」
■心臓の病気
- 左右の心臓の部屋の間に穴が開いている心房中隔欠損、心室中隔欠損、心内膜欠損
- Fallot四徴症(心室中隔欠損、肺動脈狭窄、大動脈騎乗、右心肥大)という心臓の病気
■消化管の病気
食道が通りが悪いか通っていない食道狭窄または閉鎖、肛門の穴が無い鎖肛(さこう)、俗に言う「出べそ」である臍ヘルニアなどがあります。
■整形外科
手足が動きと筋肉が柔らかい筋緊張低下、関節過進展がみられ、首の動きが悪い環軸椎脱臼を合併することがあります。足も偏平足であることもあります。手では、しわで知能線と感情線が一本になった猿線が見られます。
その他、口唇・口蓋裂、白内障、白血病、甲状腺機能低下症(クレチン)、早期老化、性腺機能低下症などがあります。
これをすべて合併するわけではなく、これらの症状の無い人もいます。
次のページでダウン症候群の検査と治療を説明します。