結婚しなくても、子どもが欲しい
子どもほ欲しい。でも恋愛は自分のペースでしたい。
出版社に勤める33歳の未婚女性レイコさんは、「私の考えは、一般的ではないと思うよ」と、前置きした上で、次のように語ってくれました。
「そんなに世の中が、結婚しろ、子供を産め、少子化対策、というならば、私たちには、メスとしての産み時が決まっているのだから、産ませてほしい。父親や夫もいらない。仕事のタイミングもあるし、一人で育てるから、子供だけは産みたい。その代わり、恋愛は自分のペースで、自由にさせてほしい」
レイコさんの意見を、結婚・家族制度の崩壊と予見し、「子育てには、父親が欠かせないはず」「父親がいない子どもがかわいそう」「婚外子や片親だと子どもがイジメられる」と異論を唱える人もいるでしょう。これらについても1つずつ考えてみます。
日本における、父親の育児参加
まず、「子育てには、父親が欠かせないはず」について、結婚して名目上は父親がいても、日本の父親の育児参加は、昔から極めて少ないのです。たとえば、欧米諸国と比較しても分かるように、圧倒的に少数派であることが分かります。平成18年の「国民生活白書」によると仕事を持つ女性でも、一日当たり約2時間を育児に費やしているにもかかわらず、男性はわずか25分です。最近は、積極的に育児に関わろうとする男性たちを「イクメン」と呼び、男性の育児参加を奨励しようという動きがあります。夫婦で、育児を協力し合うこと自体は、当然大切なことです。しかし、このような造語が敢えて作られる必要があるということ自体、父親が育児をすることが全くスタンダードになっていない現実を表していると言えるでしょう。