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MBA重要科目 ビジネス環境を理解するための経済学(3ページ目)

経済学の知識は、企業経営の必須知識。経済学をビジネススクールで学ぶ理由を、経済学の2分野であるマクロ経済学とミクロ経済学に分けて説明します。大学時代に経済学を学んだものの、経営に応用できていない方もお読みください。

福原 正大

執筆者:福原 正大

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価格

あなたはイチローのユニフォームにいくら支払いますか?

価格の決定過程を学ぶミクロ経済学

ミクロ経済学は、マクロ経済学と対照的に、個別企業から世界を見ていこうとします。まず初めに学ぶことは、「需要と供給が釣り合うように価格が決定される」ということ。ネットのオークションの例で考えてみましょう。オークションに「イチローが着たユニフォーム」が出ていたとします。イチローの着たユニフォームの供給は非常に限定的です。一方で、買いたい人は多い。つまり、オークションに参加する人が多いことが予想されるので、需要が供給に対して大きくなり、価格は高くなるということを学ぶのです。一方で、オークションに出ている商品が一般的なモノであれば、供給は多く、オークションでそのモノを買いたい人は少ないでしょうから、価格は低くなる可能性が高いことになります。

ミクロ経済学では、こうした構造を更に読み解いていきます。どういった環境下で、企業は価格を高く設定でき、大きな収益を上げられるか。逆に、買い手企業は、どのような環境を設定すると、材料をより安い価格で購入することができるかを考えるのです。先ほどのオークションの例でいえば、売り手はイチローの状況を作り出そうとし、買い手は一般的なモノの状況をつくる戦略を考えていきます。

売り手の最適な戦略は、ミクロ経済学の世界では、企業買収や政府への働きかけにより、独占状況、あるいは数社のみが商品を提供できる寡占状況を作り出すことを目指すことになります。

一方で、あなたの企業がこうした独占的な企業から商品を購入しているとすると、価格交渉力をもたないために非常に不自由な思いをします。そのために行えることとして、代替商品を探ることなり、供給者側に価格競争力のないような商品を探し材料の代替を進める。あるいは、供給者側と長期的な関係を構築し、両社が共存することを目指し収益の長期最大化を目指すなどの戦略的な対応を図っていくことが必要です。
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