臍ヘルニア(でべそ)のできるメカニズム

臍帯

母親と胎児をつないでいるのが臍帯です

赤ちゃんがお腹に居る時に母親とつながっているのが臍帯(さいたい)です。臍帯には赤ちゃんと母親をつなぐ血管があります。臍帯はへその緒と言われ、産まれた時に切ります。そして、臍帯から出血しないように止めておきます。すると、徐々に臍帯が小さくなり、乾燥して、へその緒として「桐の箱」に入れて渡されることが多いです。

臍(へそ)には、皮膚・筋肉などがくっついていますので、一度へこんでいきますが、くっつかない時に腸がそこから出て、臍ヘルニア、つまり「でべそ」になるわけです。従って、生後1カ月頃から3カ月程度の間に膨らんできます。

この臍ヘルニアは5~10人に1人の割合でみられますので、比較的よく見られます。

臍ヘルニア(でべそ)の症状

でべそ

おへその部分が膨らんでいますが、見た目だけです

臍(へそ)の部分がふくらんで出ている状態です。ヒトによってその出ている大きさが異なり、直径が大きい場合、出ている膨らんでいる高さが高い場合など、様々です。

臍が出ている部分に腸が入っているので、触れると柔らかく、少し押さえるとグジュグジュとした感じがして、お腹の中に戻っていきます。しかし、泣くとお腹の圧が高くなり、また、腸が出た臍ヘルニアになってしまいます。このように、自然に出たり引っ込んだりすることがありますが、破れそうに見えても破れることはありません。

臍ヘルニア(でべそ)の経過

生後3カ月頃までは大きくなりますが、ハイハイやお座りなどができると、お腹の筋肉がついてきます。すると、筋肉で臍ヘルニアは治ってきます。95%以上の子供が1歳までに自然に治ります。

私自身もよく外来で診察していますが、基本は何もせず様子見るように言っています。祖父母に言われて受診される人もいますが、昔からの言い伝えが正しいとは限りません。

臍ヘルニア(でべそ)の治療

自然に治るので、基本的には、治療を必要としません。

よく5円玉(なぜ5円玉)をガーゼに包んで押さえたり、ガーゼを貼ってテープで押さえたりことがありましたが、基本的にはおすすめできません。赤ちゃんの皮膚はデリケートなので、すぐにテープでかぶれますし、臍がジクジクしたりして、感染を起こす危険があるからです。祖父母が言っても、決してお金で臍を押さえないようにしてください。

近年、臍ヘルニアに対する圧迫療法が行われることがあります。これは、臍ヘルニアを圧迫固定する方法で、上記の通り、感染やテープかぶれを防ぐ意味で、医療機関で行うことが望ましいです。この臍の圧迫療法は、臍ヘルニアで皮膚が伸びるのを防ぐ方法で、乳児期の早い時期に臍を適切に圧迫し、腸管の脱出を防止します。圧迫期間は1~2カ月ですが、小児外科のある一部の医療機関で行っていますので、圧迫療法をされる場合は、事前に相談してください。

なかには、外科的治療を要する臍ヘルニアもあります。1歳過ぎても全く良くならない場合と、治っても皮膚が余った感じになった場合は、小児外科にて手術して、臍の形成術を行います。ただ、形のいい状態にするのは難しく、子供には成長もあるので、手術するかどうかは小児外科で相談した方がいいでしょう。

もし臍ヘルニアが気になったら、1歳までなら小児科か小児外科、1歳過ぎたら小児外科に受診すると決めておいてもいいと思います。


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