日本の樹といえば―すぎ・杉・スギ
今回は杉のおはなし
日本は世界第二位の森林率を誇っています。さまざまな樹種がたくさんありますが、最も身近で誰でも知っているのが「杉」です。花粉症の人に最も嫌われている木でもあります。しかしながら二酸化炭素の削減には大きく寄与していて、3.8%の森林吸収量でほとんどが人工材の杉です。
近年は自然素材、天然素材など木の活用は心地よい空間をつくる素材として大変人気があります。にもかかわらず、なんとなくぼんやりとしか理解していないのではないでしょうか。改めて木の魅力、その中でもスギについて理解を深めて家づくりに活かしていきましょう。
何故サウナで使われている木では火傷(やけど)はしないの?
100度の金属に触れたらやけどをするのに、100℃以上のサウナの室内の木材に触れてもやけどはしません。それはすぎの体積の75%が空気だからです。つまり熱を伝えにくいのです。木の強度・柔らかさ、温冷感などを支配しているのが早材(春材)と晩材(秋材)の密度の違いです。この濃淡の繰り返し文様がスギ特有の暖かな表情を作っているのです。熱くなく冷たくない穏やかさが杉の魅力で近年は床材にも用いられています。
日本のインテリアは0.4で西洋は0.7?
スギは針葉樹ですから軟木(やわぎ)と呼ばれ比重は0.4です。一方広葉樹はケヤキ、ナラ、タモですがこれらは堅木(かたぎ)と呼ばれ比重は0.7です。比重の軽いほうが柔らかく視覚的にもソフトです。比重の重いほうが重硬性があり肌目も機密です。日本の空間、特に和室に入ると落ち着くのは比重の軽い針葉樹を使っているからです。そして他の材料も生物資源を主に使っています。(障子、畳、土壁など)