3、敷地に緑とゆとりがある
通常は、敷地に対して規制ギリギリまで建物を建てるものです。なぜなら、そのほうが分譲できる戸数が増えるため、デベロッパーは儲かるからです。しかし、ヴィンテージマンションは敷地面積に比べてゆったり作られています。庭を配したり、入り口から玄関までのアプローチを十分に取ったりしています。
土地の有効活用という意味では無駄であり非効率ではあるのですが、資産価値という意味では非常に重要で、デベロッパーもそれを理解して作っています。
それでも都心の一等地などでは庭などを配するのが難しい側面はあります。そういう場合はエントランスやロビーに力を入れています。
外にアプローチを作れない代わりに、内部にアプローチを作り、入り口ドアからエレベーターまでの空間をとてもゴージャスにしています。ホテルや高級旅館かと間違えるほどです。
また、物件の周囲に植栽や照明を多く配置し、環境作りに力を入れている物件も有望です。これはわかりやすいですね。
一般的な新築物件の植栽は、小さい苗木の状態ですが、もし竣工時から親木を植えていたら、たいしたものです。なぜなら、苗木は安く植えられますが、親木は値段も高く、運搬や植樹にもお金がかかるからです。
苗木だからよくないというわけではなく、むしろその苗木が生長したとき、どんな雰囲気になるかのほうが重要です。
多くの新築マンションでは完成予想CGを作っていますが、たまに実際に植える樹木の種類がCGと異なり、「こんな木だっけ?」ということもあります。
新築で買う人も、中古で買う人も、一生住むかもしれない場所ですから、毎日のことです。やはり環境作りに配慮したマンションが、年月が経っても評価されるのは当然と言えるかもしれません。
ということで、ヴィンテージ要素を3つ抽出してみましたが、もちろんこれらがすべてではありませんし、すべて当てはまるとは限りません。
必ず例外はありますし、評判や名声は、いろいろな要素や理由が組み合わさってできるものですから、すべて予測することは難しいものです。
とはいえ、自分が買おうとしている物件が、これらの要素を兼ね備えているなら、資産価値は比較的保たれやすいと考えられます。