ゲームを遊ぶ理由がない
探検ドリランドなどのGreeのゲームの他、大手コンシューマーゲームメーカーのソーシャルゲームタイトルも出展されました。
もちろん、熱狂的なユーザーではなくとも、仕事のため、人気の秘密を探るためにプレイするというのはあるはずですが、いつでも手軽に携帯電話で遊べるGreeのゲームは、幕張メッセまで行ってわざわざ遊ぶ理由があまりありません。リリース前のタイトルも一部あるにはありますが、多数用意された探検ドリランドや、釣り★スタなどの人気タイトルは、既にサービスが提供されていて、多くのユーザーを抱えているからこそ人気タイトルなわけで、つまりは携帯電話を開けばいつでも遊べるのです。
また、ガイドは実際10タイトル以上を立て続けにプレイしてみましたが、正直、そんなにそれぞれのゲームに違いが感じられませんでした。もちろん細部に違いはありますし、全部が同じとは言いません。しかし、携帯電話の操作性の中で、誰でも簡単にとにかく選択肢を選んで決定で済むように設計されているゲームがかなりあるので、試遊という形で10分程度試したプレイ感覚はどうしても似通ってきます。説明を聞いても今までにないゲーム体験をアピールするということはあまりなく、同じボタンを押してるだけで次々に結果がでて、簡単に遊べるということを強調されます。
では逆に、それでもブースに来て、ゲームをしていない人は何をしに来ているのか。重要なのは、ぱっと遊んだ感触では似たようなゲームの中にも、人気が出るものと、そうでないものがあるということです。
でも、ゲーム業界はそのビジネスに興味がある
電車の中で、ソーシャルゲームを遊ぶ人も、確かに増えてきています。コンシューマーゲーム業界のメーカーからすると、それを見過ごすわけにはいきません。
課金制限は何年も前からありますから、ソーシャルゲームを積極的に展開しているメーカーからすれば、この話そのものは何も珍しいネタではありません。ただ、この手の話がたくさんあって、コンシューマーで言う完成度の高いゲームコンテンツを投入すれば儲かるビジネスではないということ、Gree内マーケティングが欠かせず、情報戦が重要であることはお分かりいただけるかと思います。
ソーシャルゲームの成長に目をつけたコンシューマーゲームのメーカーが参入していく時、そういう情報はいくらでも欲しいですよね。あそこはどうやってうまくやったのか、ソーシャルゲームで儲けるには何が大事なのか。そしてそもそも詳しい情報を持った人とどうやって接触したらいいのか。そんなことは、ゲームを10分試遊してみたって、分かるわけはないのです。
そういう意味では、ソーシャルゲームに関わる人たち、あるいはこれから取り組もうとしている人たちは色んなところで情報交換をし、コネクションを広げ、関係を密にしていく必要があります。結局、ゲームをプレイしている人は少なかったかもしれませんが、興味を持った関係者が集まり交流することで、Greeにとって、今回の出展はとても価値の高いものになったと思われます。
この状況は、ソーシャルゲームというものがどういうものかを、見事に表現していたように感じます。