音声ケーブルの選び方
音声を伝送するには、デジタル、アナログを含め、何種類かの接続方法が存在します。特にデジタル音声では、接続方法やケーブルによって伝送できる音声フォーマットに違いがある点に注意が必要です。つまり、機能と音質の両面で接続方法やケーブルを選ぶ必要があるのです。1. HDMI(エイチ・ディー・エム・アイ)
デジタル方式で音声を伝送する事ができます。ブルーレイに収録された最高7.1chに及ぶ高音質な音声フォーマット「ドルビー TrueHD」や「DTS-HD マスターオーディオ」が伝送可能なのもHDMI接続(Ver 1.3以降)ならではの特長です。
もちろんDVD時代からのドルビーデジタルやDTS、AACやPCMなどの各種デジタル音声フォーマットも伝送可能です。配線を少なくする観点からも、できる限り、HDMI接続の利用をおすすめします。
なお、端子の種類は機能やサイズによって4種類あり、使用する機器に適したケーブルを選ぶ必要があります。変換アダプターの利用も可能です。
HDMIケーブルの製品例:
DLC-HEM15 (B) [1.5m ブラック]
2. 同軸(コアキシャル)デジタル
銅線など、金属素材の同軸ケーブル1本で、デジタル音声(S/PDIF規格)を伝送できます。CDで用いられる2chのLPCMや、DVDで用いられるドルビーデジタルおよびDTSなどの5.1ch音声フォーマットを伝送できますが、ブルーレイで用いられる「ドルビー TrueHD」や「DTS-HD マスターオーディオ」は伝送できません。
同軸デジタルは、海外ではメジャーな接続方法ですが、日本国内で販売されているテレビやレコーダーは、後述の光ケーブル接続にしか対応しない製品も多くあります。
ケーブルは専用品も発売されていますが、コンポジット映像用ケーブルで代用する事もできます。ケーブルが比較的安価なので、10m程度の長距離伝送にも向いています。
同軸デジタルケーブルの製品例:
3. 光(オプティカル)デジタル
ガラスまたはプラスティック素材の光ファイバーケーブル1本で、デジタル音声(S/PDIF規格)を伝送します。伝送できる信号は同軸デジタルと同じですが、光ファイバーケーブルは比較的高価です。また、曲げ過ぎると光ファイバが破断して使えなくなるなど、使いづらい面もあります。必要最小限の利用に止めると良いでしょう。
端子は一般的な角形と、ポータブル機器などで利用される丸形の2種類があります。
光デジタルケーブルの製品例:
4. アナログ
銅線など、金属素材の同軸ケーブル1本につき、1chのアナログ音声を伝送できます。2chのステレオは、ケーブル2本(赤白で色分けされる事が多い)で伝送できます。ケーブルを5本使えば、サラウンドの5ch音声も伝送できます。
アナログ音声ケーブルには、端子形状がRCAタイプ(ピンタイプとも呼ばれる)、直径3.5mmのミニプラグ、直径6.3mmの標準サイズ、ステレオやモノラルなど、実にさまざまなタイプがあります。アナログ接続の利用に際しては、形状や大きさの確認をお忘れなく。各種の変換アダプターを利用することも可能です。
アナログ音声ケーブルの製品例:
スピーカー接続用ケーブル
アンプとスピーカーを接続するケーブルは、スピーカーケーブルと呼ばれます。スピーカーを駆動する為に、アンプで増幅された大きな電力を扱うので、音声ケーブルとは全く別物です。スピーカーケーブルは通常、スピーカー1個に対して1本(銅線2本が一対)を使用します。スピーカーケーブルを流れる音声信号はアナログなので、伝送途中で電気的なノイズが混入したり減衰すると音質が劣化します。マニアの場合、1mで数万円もするケーブルを使用する人もいますが、一般的なユーザーの場合、それほど心配する必要はありません。1mあたり100円くらいの製品でも充分です。こだわりの度合いに応じて、ときどき交換するのも楽しいものです。
スピーカーケーブルの製品例: