ETF

国内初上場の「ETN」ってどんな商品?

今年8月に東京証券取引所に初めて上場された「ETN」。第一弾の2銘柄に加え、9月6日に第二弾としてさらに7銘柄が上場しました。ETFより幅広い投資対象へのアクセスが可能といわれる「ETN」とは、一体どんな金融商品なのでしょうか?

執筆者:村岡 里香

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今年8月に東京証券取引所に初めて上場された「ETN」。第一弾の2銘柄に加え、この9月6日に第二弾としてさらに7銘柄が上場しました。今注目される「ETN」とは、一体どんな金融商品なのでしょうか?

ETNとは

ETNとは

ETNとは、ETFと同様、特定の値動きに連動することを目的とした商品

ETN(イー・ティー・エヌ)とは「Exchange Traded Note」の略で、日本語では「上場投資証券」または「指標連動証券」と呼ばれています。

ETNに似た商品として、ETF(Exchange Traded Fund/上場投資信託)があげられます。ETNはETFと同様、価格が株価指数や商品価格など特定の指標に連動することを目的とする金融商品です。取引方法や税金の取り扱いなども、ETFと同様、国内株式と同じになります。

ETNとETFの違いって?

では、ETFとETNは何が違うのでしょう?その大きな違いは、裏付けとなる資産を持つか持たないかであるといえます。ETFの場合、たとえば東証株価指数に連動するタイプであれば、東証株価指数を構成する約1,700銘柄の株をファンドが実際に保有することで指数に連動させます。

それにたいしETNは発行体である金融機関がその信用力をもとに、価格が対象指標に連動することを保証する債券(Note)であるため、現物の資産は保有しません。このしくみの違いによりETNには主に次のような特徴があるといわれています。

ETNの主な3つの特徴

◇幅広い指標への連動が可能
◇トラッキングエラーが生じにくい
◇管理コストが安い


ETNの組成には裏付け資産の保有の必要がないことから、ETNはETFよりも多種多様な指標を対象とすることが可能です。たとえば、投資規制が厳しい新興国の株式、レアメタル、農産物といった現物保有が難しいものでも連動の対象とすることができます。

また、現物資産を保有して運用するETFの場合、価格と対象指標の間にトラッキングエラーとよばれる「ずれ」が生じることがあります。一方、ETNのほうは、金融機関が価格が対象指標に連動するよう保証するため、トラッキングエラーが生じにくいのが特徴。さらに運用にかかるコストも、ETNは現物資産を保有しなくていい分、ETFよりも安くおさえることができます。

その一方で、ETNには次のような注意すべき点もあります。

発行体の信用リスクに注意

ETNは現物資産等の裏付けがない債券です。よって国債や社債などと同様、発行体が破たんしたり財務状況が悪化した場合には価格が下落したり価値がゼロとなってしまう可能性があることに注意が必要です。

この信用リスクを低減するため、東証ではETNの発行体にたいし純資産額や自己資本比率、信用格付などにおいて厳しい条件を設置。今回ETNを上場したバークレイズ・バンク・ピーエルシーは世界有数の大手銀行で破たんリスクは極めて低いといえます。とはいえ、10年、20年先のことはわかりませんので、信用力が低下することがないかどうか今後も注視していく必要があります。

日本初のETNのラインナップについては、次のページでご紹介します>>>

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