資産運用

安直な不動産経営に死角あり!?

不動産の賃貸事業は自分で簡単で始められて安定した収入が得られそうと、お金に興味のある人に根強い人気があります。しかし、現実には不動産経営に失敗する人も少なからずおり、経営のむずかしさは年々増しているのです。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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「大家さんになってお金持ちなろう!」、「不動産投資で不労所得を!」みたいな本が本屋さんには山積みです。しかし、現実に私のところに寄せられるのは、不動産投資に失敗した相談ばかりです。 このギャップはどこに原因があるのでしょう。

人はなぜ不動産投資をやりたがるのか?

人々を不動産投資に引き寄せられるのはどんな理由からでしょうか?
  • 自分の土地建物を貸して収入を得るという仕組みの分かりやすさ
  • 実物資産を自分名義で持ちたいという所有欲が満たされること
  • 為替とか金融とかの抽象世界と無縁の安心感
  • 過去の土地神話と成功体験が無意識の内に残っていること
  • 自分一人で経営できるという自立心を満たしてくれること
  • 家賃は下がらないから安定した収入が得られるという家賃神話 
確かに、予測し難い株価を追ったり、見知らぬ国に投資する海外投資などに比べたら、不動産投資の仕組みはシンプルで馴染みやすいものです。 また、すべてが日本語で完結しますし、自分の住んでいる町で不動産を持てば土地勘もあるので自分の知識の範囲内で投資ができると思われるのかもしれません。

しかし、それは妄想なのではないかと思えることもあります。

家賃が下がらないという神話

不動産投資を勧める人が間違いなく言う根拠が、家賃神話です。地価や株価はこんなに下がったけれど、家賃は下がらないって、本当でしょうか?

それは、残念ながらウソです。統計的に見ても家賃は確実に下がっています。その下がり方が小さい、軽微であるということはいえます。しかし、年3%の家賃下落が30年続けば年収は60%も減ります。その結果、大家さんの収支が赤字になってしまうのではないでしょうか?

不動産投資を始めたい人が神話を信じてしまうのは、客観的なデータが不動産業界では公開されていないからです。空室率の増加、そして家賃の下落、さらに家賃滞納の増加。あなたの市場の現況を、もう一度調べてみてください。
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