城下町の町並みを歩く
萩の街は、山から流れてきた阿武川(あぶがわ)が造りだした三角州の上に造られており、一番海側に指月山があるという形です。この三角州の部分が城下町として整備されていました。城下町の中の道は碁盤の目のように整備されていますが、場所毎に大きく雰囲気が変わる所が印象深いですね。
まずご紹介するのは、三角州の中心に近い所にある菊屋横丁。
ここには、昔ながらの城下町のたたずまいを感じる白いなまこ壁と細い路地が残ります。この菊屋横丁を歩いていくと、後ほど紹介する明治維新に名を残す偉人ゆかりの場所へ行くことができますよ。
この白いなまこ壁を持つ菊屋家住宅は、長州藩御用達の商人だった菊屋家が商いに使っていた御屋敷。400年近くの歴史を誇り、国の重要文化財に指定されています。
中を見学すると当時の商家の雰囲気をまざまざと感じとることができますね。その真向かいにある旧久保田家住宅とあわせて見ると良いでしょう。
菊屋横丁の2本東側にある江戸屋横丁は、江戸屋という商家があったことで名前がついたとのこと。
菊屋横丁と同様に、江戸屋横丁の奥にも明治維新に名を残す偉人ゆかりの場所があります。
これは鍵曲(かいまがり)と呼ばれるもので、城に敵が攻めてきた時に前が見通せなくなることで進撃を遅くするための知恵。まさに城下町ならではの風景ですね。
松本川と橋本川が分かれる三角州の端には、鯉が放流されている藍場川があり、川沿いにある旧湯川家屋敷とあわせて、風情ある風景を楽しめます。
多彩な風景がコンパクトな街の中に残っているのが萩の魅力の一つと言えるでしょう。
続いては、明治維新に名を残す偉人にゆかりのある場所を訪ねてみましょう。次ページに続きます。