BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

新たなBMWらしさを手に入れた1シリーズ(2ページ目)

7年ぶりにモデルチェンジを果たしたFRコンパクトハッチバック、1シリーズをベルリンで試乗してきました。以前のような官能的エンジンはなくても“新たなBMWらしさ”で、3シリーズを超えたパフォーマンスを見せてくれます。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

シャシーを磨くことで、走りとエコを両立

BMW1シリーズ

1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンは、116iでは最高出力136ps、118iでは170psと出力が異なる。ミッションは6MTと8ATが組み合わせられる。燃費(EUテストサイクル)は100kmあたり116iが5.5~5.7リッター、118iが5.8~5.9リッター

新たなBMWらしさとは何か。それは、シャシーだった。

街中で上級車なみの乗り心地をみせたかと思えば、カントリーロードではキレ味・アト味、ともによく、全域で爽快に動いてくれる。張り切って飛ばさなくても、たんたんと一定速で走っていること自体が楽しいのだから、驚くほかない。

通常、80~120 km/hあたりで流れにのってドイツのカントリーロードを走っていれば、とても退屈してしまうもの。高いびきの助手席につられてうとうとしてしまう、なんてことが今回、まったくなかったのだ。ゆるやかだけれど、はっきりと表情のある地形に沿って、いろいろなコーナーを、ひとつひとつ、丁寧に味見しながら走るということが、こんなに楽しかったなんて! ガンガン攻めて走ることだけが、ドライビングの楽しさじゃない。

だから、省燃費走行を支援してくれる、実にBMWらしくない装備、エコPROモードでだらだら走っていても、なんだか心が浮き立つ。

6速40km/h、750回転でもシフトダウンの指示が出ず、エンジンが粘りに粘って、じっくりと加速に移っていく。その間、エンジンのフィールはまったくもって無粋だけれども、ライドフィールが前述のように素晴らしいものだから、エコPROモードを積極的に使おうという気になる、というわけだ。

いずれにせよBMWは、シャシー性能にいっそう磨きをかけることで、ドライビングファン的にも、そしてエココンシャス的にも、ひとつのポジションを築き上げたように思う。
BMW1シリーズ

内外装や装備の異なるスポーツラインとアーバンラインを用意した

日本への上陸は年内が予定されている。116iと118iになるはずで、スポーツとアーバン(日本名スタイル)という2種類のトリムで導入される。もちろん、ミッションは本国ではオプションの8速ATを積む。これで価格据え置きレベルとなれば、プレミアムコンパクトのスタンダードが大きく変わるに違いない。
BMW1シリーズ

室内が広くなり、後席のレッグスペースを21mm拡大させた。後席は40:20:40の分割可倒式とされ、ラゲッジスペースは360リッターとなる

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