金の高騰が止まらない
金の高騰は続くのか?それとも崩れるのか?
7月初頭に1オンス1,600ドルを超えたと思ったらすでに1,800ドルを超え、日本の商品市場でも7月初頭の1グラム4,000円から4,500円まで上がっています。
円高になれば下落するのが一般的で、しかもドル円は史上最高値圏にあるにもかかわらず、上昇していますから、地合いの強さがわかります。
そして今、市場の関心は、「いつ崩れるのか」に集まっているようです。
それもそのはず、一般市民がアクセサリーなど、自宅の金を売却する動きが加速し、それをテレビで報道されるまでになっているからです。
一般市民が動くようになったらバブル崩壊は近い、と考えるのは無理もないでしょう。しかし昨今の世界経済を見ていると、崩壊と言えるほどの大きな下落よりも、2,000ドルを目指してじわじわ上がっていくのではないか、という見方もできます。
もちろん、リーマンショックのような世界的な金融恐慌が再び起これば暴落するでしょうし、中国の景気が大きく減速すれば、大規模な調整も考えれなくもありません。なぜなら、特にヘッジファンドなどは、他の金融商品で出た損失の穴埋めを、利益の出ている商品の売却益で埋めようとするからです。
そういう大きな問題が起こらなければ、という前提ならば、買い意欲はまだ強いという印象です。
通貨の信用力低下と世界経済不安が後押し
かつて金兌換制度が採用されていた時代には、通貨の発行は金の裏づけがありました。つまり、金の保有分しか通貨の発行が認められていませんでした。しかし1971年のニクソンショックによって、その裏づけがなくなりました。
今や通貨は、それを使えば交換できるという信用が国家によって付与されているから価値があるだけで、国家が崩壊すれば、ただの紙切れになります。
世界的な金融緩和は、通貨の価値を落とすだけです。
加えてアメリカのリセッション懸念、PIIGSを中心としたユーロ問題、すべて問題の先送りであって、解決は程遠い。
そしてこれらは金買いを推進するのに十分な材料です。
そのため、世界で交換でき、資産保全ができる現物資産の金(ゴールド)に人気は、なかなか衰えそうにありません。
実際、中国は国家も国民も金買いに走っています。ロシアや韓国もそうです。
インドでもこれから婚礼シーズンを迎えて金の需要が高まります。
売っているのは世界で日本人だけ、という感じなのですが、これが吉と出るか凶と出るか・・・。