食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

土用しじみで夏の暑さを乗り切ろう!(3ページ目)

昔から、「土用しじみは腹ぐすり」といいます。7~9月の夏の時期はしじみの旬で、産卵を控えて栄養もたっぷり。夏バテ予防・回復におすすめの食材です。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


シジミの砂だしは、塩水がポイント

しじみを食べる前には、砂出しをしますが、これまでは淡水の貝なので、真水ですると言われていました。しかし、1%のうすい塩水でする方がおいしくなるそうです。

『わが国の水産業 やまとしじみ』によると、
 真水で砂抜きした場合、シジミの「うま味」成分であるコハク酸、アラニン、グルタミン酸、グリシンが半減し、海水で砂抜きした場合は倍増するという研究結果があります。
その原因は、環境水の塩分が高濃度(浸透圧が大きい)のときには、体内の浸透圧を環境水の浸透圧と同じにするため、グリコーゲンなどを分解してアラニンを中心としたエキス成分を増加させ、浸透圧を調整しようと反応するためです。
したがって「うま味をふやすためには「塩水で砂抜きをするむことが大切なのです。

また、鮮度のよいものは、冷蔵庫で乾かないように保存するとおいしくなり、砂抜きのあとに冷凍保存すると半年は保存でき、うま味が増すそうです。

しじみは、有効成分を無駄なくいただくためにも汁ごといただきたいものです。少し面倒ですが、むき身にして、だしと炊くしじみごはんもおいしいですし佃煮もおすすめ。ちょっといつもと違う味で楽しみたい時には、中華風の炒め物や、チャウダーなどにするのもよいでしょう。

ついつい小粒で食べ難いと敬遠しがちなしじみですが、夏を乗り切る元気をくれる食材です。おいしく、無駄なくいただきましょう。

参考
・わが国の水産業「やまとしじみ」(社団法人日本水産資源保護協会)
独立行政法人 水産総合研究センター
・シジミ(「健康食品」の安全性・有効性情報)
・シジミの栄養(島根県・水産技術センター)
・五訂増補 食品成分表
その他

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