食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

土用しじみで夏の暑さを乗り切ろう!

昔から、「土用しじみは腹ぐすり」といいます。7~9月の夏の時期はしじみの旬で、産卵を控えて栄養もたっぷり。夏バテ予防・回復におすすめの食材です。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

以前に、「寒しじみ」をご紹介しましたが、しじみにはもう一つ「土用しじみ」という呼び方もあり、旬が冬と夏にあります。夏の土用には、うなぎ等、滋養のあるものを食べて暑さを乗り切る風習があります。「土用しじみは腹ぐすり」といういい伝えがあり、しじみも夏バテに役立つと昔からいわれています。しじみには、どのような栄養成分が含まれているのでしょうか。

土用しじみといわれる裏付けは?

ヤマトシジミ

シジミの漁獲量の99%が、ヤマトシジミ。

しじみは、小粒の貝ですが、馴染みのある二枚貝の中でも、タンパク質が豊富。タンパク質を構成するアミノ酸は、「うま味」成分コハク酸やアラニンなどが多く、これらがしじみのおいしさとなるのです。

また、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、鉄分、亜鉛等のミネラルを含み、他の代表的な貝類と比べてしじみが最も多く含んでいます。ミネラルは、暑い時期は汗とともに排出し、不足しがちな栄養素です。

またしじみは、ビタミンB2、ビタミン12なども多く含んでいます。ビタミンB2はタンパク質や糖質、脂質などをエネルギーに変える際に必要不可欠なビタミンです。ビタミンB12は、脂質代謝や造血作用などの働きがあります。
シジミ,栄養成分

 

しじみに含まれているオルチニンやメチオニン、タウリンなどのアミノ酸が肝機能の働きを助け二日酔いの改善に役立つということは、以前の記事でご紹介しています。

暑い時期はビールなどのアルコールを飲む量も増えがちですし、また夏バテなどでどうしても食欲がわかないといった時に、温かいしじみの汁物などは口にしやすいと思います。しじみはだしだけで実は食べないという人も多いのですが、身にも栄養は残っているので、残さずいただきたいものです。

ただし慢性肝炎、肝障害等のある方は、肝臓に蓄積する過剰な鉄分が有害性を生じるという報告があり、鉄分の多いしじみは避けるように制限される場合もあるので、病院でご確認ください。

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