ソウル/ソウルの観光・世界遺産

ソウルの世界遺産

ソウルにも世界遺産はあります! 自然との調和が美しい「昌徳宮」、歴代の王と王妃が眠る「宗廟」。都会の真ん中に残る「宣陵・靖陵」そして、ソウルから30分でアクセスできる近郊の都市、水原の「水原華城」をご紹介します。

松田 カノン

執筆者:松田 カノン

韓国ガイド

ソウルとソウル近郊の世界遺産

2017年現在、韓国には12の世界遺産(11の文化遺産と1つの自然遺産)が登録されています。世界遺産というと、地方にある印象があるかもしれませんが、ソウル市内に3つ、ソウルから30分の近郊にも1つあるので、短い滞在でもスケジュールに入れてみてはいかがでしょう。

自然との調和が美しい「昌徳宮」

昌徳宮

毎週木曜日は自由観覧可。それ以外はガイドによる案内での見学となります。日本語ガイドも1日に4~5回ほど行われています

昌徳宮(チャンドックン)は、韓国にある王宮の中で、最も長い間、王様が暮らした王宮です。とにかくアクセスのいい世界遺産で、仁寺洞や三清洞などにも近い安国駅や鐘路3街駅から徒歩10分圏内です。旅行者に人気の観光エリアにある世界遺産なので、訪れやすいですよ。

昌徳宮(チャンドックン)は、太宗5年(1405年)に景福宮の離宮として建築されました。現存する王宮の正門としては韓国最古の敦化門を抜けると、そこはもう別世界。国家行事が行われた正殿“仁政殿”や寝殿として使われていた“大造殿”などを始め、荘厳なる楼閣が現存しており、朝鮮時代にタイムトリップした気分に。穏やかで美しいこの離宮は、1592年の壬辰倭乱の際に全焼しましたが、後に再建され、日韓併合後も朝鮮王朝最後の皇帝となった純宗がここに暮らしました。

美しい東屋や小川、池、森などがある静かな庭園、秘苑(ピウォン)も、昌徳宮の見所の一つ。夏には青々とした緑が、秋には真っ赤に染まった紅葉が美しく、韓国の四季をそのまま感じることができます。ここに暮らした王や王妃たちは何を思いながらこの庭園を歩いたのか……なんて思いを馳せつつ過ごしてみては。夏季には、ライトアップされた姿を鑑賞できる夜間観覧も実施しています。(1997年:ユネスコ世界文化遺産登録)

<DATA>
昌徳宮/チャンドックン/창덕궁
アクセス:[Google MAP]
TEL:02-762-8261
観覧時間:9:00~17:30(4~10月)/9:00~16:30(11・3月)/9:00~17:00(12~2月)チケット販売時間は最終観覧時間より1時間前まで
入場料:19歳以上3000ウォン/7~18歳1500ウォン(一般観覧)
休日:月曜

歴代の王と王妃が眠る「宗廟」

宗廟

ソウル市内にあるので観光にも便利。すぐ隣にある昌徳宮と併せて観光したい

宗廟(ジョンミョ)は、昌徳宮のすぐ隣にある朝鮮王朝歴代の王と王妃らの位牌を祀る祖先祭祀場です。朝鮮王朝の太宗3年(1394年)、漢陽(現在のソウル)に遷都した年に着工、翌年に完工しました。素朴ながら荘厳な建築美を誇る正殿は、王が世を去るたびに安置室を増設してきたため東西に長く延びており、現在19室49の位牌が安置されています。また、敷地内には功労ある臣下の位牌などが安置された祠堂や、季節ごとの祭礼を行う堂などもあります。

毎年5月には、朝鮮王族の末裔一族により宗廟大祭が行われます。これは、朝鮮王朝の先祖に対する祭祀で、朝鮮時代の祭祀の中で最も規模が大きく重要なものでした。2001年には宗廟祭礼と祭礼楽(祭礼を行う際の音楽や踊り)もユネスコ世界無形遺産に登録され現在にも引き継がれています。(1995年:ユネスコ世界文化遺産)

<DATA>
宗廟/チョンミョ/종묘
アクセス:[Google MAP]
TEL:02-765-0195
観覧時間:9:00~18:00(3~10月/平日)9:00~18:00(3~10月、土・日・祝日)/9:00~17:30(11~2月)/9:00~17:00(12~2月)チケット販売時間は最終観覧時間より1時間前まで
入場料:19歳以上1000ウォン/7~18歳500ウォン
休日:火曜

「チャングムの誓い」中宗王が眠る朝鮮王陵、宣陵・靖陵

都会の真ん中にありながら、静かで緑溢れる公園の中に残る宣陵・靖陵。駅からも近くふらると立ち寄れる世界遺産です

都会の真ん中にありながら、静かで緑溢れる公園の中に残る宣陵・靖陵。駅からも近くふらりと立ち寄れる世界遺産です

2009年にユネスコ世界文化遺産に登録された朝鮮王陵。その名のとおり、王たちを埋葬した墓地で、朝鮮時代の首都「漢陽」を取り巻くような形で作られてきました。

世界遺産に指定された王陵のほとんどが、ソウルおよび隣の京畿道付近にあり、その中でも特に宣陵(ソンヌン)・靖陵(チョンヌン)は、ソウル江南の三成(サムソン)洞にあります。 宣陵には、 第9代王である成宗(ソンジョン)がと 貞顕(チョンヒョン)王后が、 靖陵には、「宮廷女官チャングムの誓い」でもお馴染みの代11代王の中宗(チュンジョン)の王陵があります。

顔をあげると周りをビル群が囲んでいるという、まさに都会の中にある王陵ですが、公園としても整備されており、 静かな憩いの場として、多くの人が訪れています。 三成洞の地下鉄駅からも近いので、少し休憩するつもりで行ってみるのもいいですね。

<DATA>
■宣陵・靖陵/ソンヌン・チョンヌン/선릉・정릉
住所:ソウル特別市 江南区 宣陵路100キル 1/서울특별시 강남구 선릉로100길 1
アクセス:[Googleマップ]
TEL:02-568-1291
観覧時間:6:00~21:00(3~10月)6:30~21:00(11~2月)
※チケット販売時間は最終観覧時間より1時間前まで
入場料:19歳以上1000ウォン/7~18歳500ウォン
休日:月曜


18世紀最高の技術で造られた城壁「水原華城」

水原華城

ソウルから日帰りで行ける世界遺産です。水原市も是非観光してみてください

ソウルからムグンファなどの国鉄で約30分、地下鉄で約1時間の距離にある水原市には、威風堂々たる姿で構える水原華城(スウォンファソン)があります。ソウル郊外に位置しますが、1時間15分ほどあれば目的地に到着できるため、ソウル旅行のリピーターの方々は、いつもと違った風景を見るつもりで少し足を伸ばして出かけてみてはいかがでしょうか。

水原華城は、朝鮮王朝第22代正祖大王が王権強化と亡き父への孝心のため造った城郭です。正祖18年(1794年)に築城工事を開始、2年後の1796年に完成しました。城郭の長さは5.74キロもあり、東西南北に計4つの門があるほか、水門、角楼、砲楼など様々な防御施設を要所に配置しています。城郭自体の美しさはもちろん、石とレンガを併用するなど西洋の技術も採用。当時最新の攻撃や防御設備を整えた韓国で最も科学的な城郭と言われています。

城郭は一周約2~3時間。城壁の内側は緑豊かな森や野原が、外側にはビルや住宅、車が行きかう水原の都市の風景が見られます。写真を撮りながら歩いてみるのもいいですよ。(1997:ユネスコ世界文化遺産)

<DATA>
水原華城/スウォンファソン/수원화성
アクセス:[Google MAP]
※地下鉄1号線「水原(スウォン」駅下車後、タクシー乗車
TEL:031-2590-3600
観覧時間:9:00~18:00(3~10月) 9:00~17:00(11~2月)
入場料:大人1000ウォン、中高生700ウォン、子ども500ウォン
休日:なし
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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