肩こり/肩こりの原因・しくみ・肩こりに潜む病気

肩こりにまつわる遺伝・睡眠・運動の疑問

肩こりに悩んでいると、いろいろな疑問がわいてくると思います。自分の肩こりは遺伝のせい? 寝つきが悪いのは肩こりが原因? 肩こりの疑問について、多く寄せられるものをご紹介します。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

肩こりは遺伝するの?

身内に肩こりの人がいると自身も不安になる場合が多いようです

身内に肩こりの人がいると自身も不安になる場合が多いようです

「両親ともに肩こりがひどいので、私もひどい肩こりになっているのだと思います」「おばあちゃんが、ずっと肩こりで悩んでいたので、私もそのうち肩こりになるかもしれません」といったように、肩こりが遺伝することを心配している方がいます。

確かに私が実際にお会いする方々からも、「身内の中に肩こりで苦労している」という話を伺うことがよくあります。

運動をしたり、ゆっくり入浴したり、マッサージをしたり……という方法で、少しでも緩和される肩こりに関しては、遺伝するものとは考えにくいです。ただ、肩こりを起こしやすい生活様式によって、同居の家族に肩こりがおこったりする可能性はあると思います。

また、帰宅してもバタバタと忙しく緊張が途切れないタイプの人は、ご家族の肩こりとは関係なく、ご自身の生活の中に肩こりのきっかけがあるかもしれません。

意外と影響があるものは、「肩こりがつらくてね~」と幼いころから聞かされて育った場合、その心理的な影響から子供も肩こりを起こすような緊張を生じやすい状態になる可能性があります。母親のつらそうな姿を見続けていると、子供も心配し不安になってしまうことが関連すると思われます。

なかなか寝付けないのは肩こりのせい?

肩こりと睡眠の問題は関連がみられるケースがあります

肩こりと睡眠の問題は関連がみられるケースがあります

次に多い質問は、肩こりと睡眠についてです。「ベッドに入っても、肩こりが気になって寝つきが悪い」という人や「枕が合わないのか、どうも頭の位置が定まりにくい」という方がいます。

肩こりの自覚症状の有無にかかわらず、首から肩、背中、鎖骨の下あたりの筋肉が凝り固まっていると、快適な眠りにつけなくなる可能性があります。

肩こりに関連する筋肉が凝り固まると、ベッドに入り横になっても全身の力を自然に抜くことができず、枕や布団に接する体の部分に違和感を覚えたりもします。早めに筋肉の凝りをほぐすことができると、寝具での違和感は解消されることが多いので、枕を買い換えずに済む人もいます。

また、筋肉が凝り固まった状態では、眠ろうと思ってもリラックスをする神経系が優位に働きにくいため、入眠が困難になることがあります。眠れないから、眠りやすくなる薬を常用しているという話も聞きますが、肩こりが原因で寝つきが悪いのかもしれません。

自己判断はせずに、医師を受診後、疾患によるものでなければ、まずは肩こりに対するケアをお試しいただければと思います。

運動をしているのに肩が凝るのですが……

運動しているのに肩こりに変化がなくがっかり…という声も

運動しているのに肩こりに変化がなくがっかり……という声も

肩こりを和らげるには、運動を行って血流を回復させ、硬くなった筋肉がほぐれるようにするのが良い、ということは、よく知られていると思います。ですから、運動を実践している方もたくさんいらっしゃいます。

しかし、運動を実践している人全員に肩こりに対する効果が得られているか……というと、残念ながら必ずしも当てはまっていません。考えられる原因には、次のようなものがあります。

■肩こりに関わる筋肉を動かすことができていない
肩こりは、精神的なリラックスも、体の深部を温めることも有効なので、公園を歩いてみたり、軽くジョギングしてみたり…ということからも良い影響を受けます。ですが、首や肩周辺の筋肉に的を絞ってできる運動も加えたほうが、肩こりが楽になったと感じやすくなるかもしれません。

■意図する筋肉を動かせていない
例えば、肩こり体操などで、肩甲骨を動かすものがありますが、実際には肩甲骨を意識して動かすことができていないため、筋肉にも刺激がしっかりと入らず、効果が得られない、ということがあります。

■運動をすることで緊張してしまう
スポーツクラブなどで、マンツーマンの指導を受けたり、エアロビクスなどのプログラムに参加したりと、積極的に運動に取り組む人がいます。ところが、「上手にできるか?」「インストラクターさんに見られるとあがってしまい、動きがぎこちなくなる」といった「精神的な緊張」から、肩こりへつながってしまうケースがあります。思うようにできないからといって、イライラ焦ることも禁物です。

慣れてくると、こうした緊張感もほぐれてくると思いますが、最初のうちは、「きちんと運動ができるか」にとらわれてしまい動作も硬くなってしまいがちです。軽度のトレーニングや簡単なエクササイズからはじめて、運動自体に自信が持てるようになると、緊張感も少なくステップアップできると思います。

また、運動の後は筋肉疲労をためないように、よくストレッチをしたり、少し歩いてクールダウンを行ったりすることをお勧めいたします。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます