会社の定年退職制度に人生を合わせるな

ある金融政策学者が、年金支給開始年齢を今の65歳ではなく、75歳に引き上げないと財政がもたない、と言っていました。

これを聞いたとき、年金財政や介護福祉財政のことだけではなく、私たちに人生のあり方を問い直す指摘でもあるように感じました。

会社の定年退職制度に自分の人生を合わせるのではなく、働けるまで働き、社会に貢献して稼ぎ続けることが、次世代の常識になりそうです。

私たちが老後を迎えるころには、もはや「年金生活」という言葉は死語になり、その代わり、「生涯現役」という生き方が主流になっているのではないかと考えています。(健康問題は人による差が激しいのでここでは考慮しませんが)

そうすると、すぐ「老体にむち打って働かせるのか」なんていう議論が出てくるものですが、そういう人は、大きな勘違いをしています。

仕事をして稼ぐとは、相手や社会に貢献すること

仕事の本質とは、価値を提供し、お客様に喜んでもらい、対価としてのお金をいただくこと。
そう、仕事の基本はお客さんの「ありがとう」です。

仕事はつらいもの、苦しいもの、という人は、仕事のやり方が根本的に間違っていると言えるでしょう。
それに、仕事があれば、自分が必要とされている、社会とつながっているという実感を持つことができます。
自分の力でお金を稼ぐことは自立心が高まり、自尊心も満たされる。それが自信や充実感を生むのではないでしょうか。

もちろん私たちは、いつかは働けなくなるときが来る。病気にもなる。そういう人たちを保護することは不可欠です。
しかし、有業率(仕事に就いている人の割合)と医療費の関係を調べると、有業率の高い市町村ほど医療費が低いという相関関係が見られるそうです。

過保護に育てられた温室野菜は、害虫や病気に弱く、栄養素もほとんどありませんが、野草は強く生き延びます。
これは人間も同じということです。

つまり私たちは、生涯現役で働くという前提で、長い目で、自分の仕事やスキルを含めた働き方を見据え、自分を鍛える必要があるということです。

そう考えると、今の給料が安いかどうかとか、ボーナスが出るかどうかとか、上司がどうしたなんて、近視眼的で小さいことのように思えてきますよね。
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