3.外資の採用方針
外資経験者はそのまま外資のキャリアを積む
競争の厳しさは一方であるとしても、公平さや柔軟さが重視されることであらゆる特性を持った人を受け入れる懐があり、外資で一度働くとなかなか外資から離れにくくなるのです。シングルマザーや身障者、学歴が足りない人、過去に大きな病気をした人、産休明けのようなケースを差別することはありません。もちろん人間社会であるため、えり好みがあったり、社内政治もあるでしょうが、あくまでも仕事の能力や実績で勝負をする世界であることは間違いありません。その結果、入社年度が同じでも、または同じ年齢であったとしても昇進も昇給にも大きな差がつきます。
4.外資の職場環境
学閥はないが会社閥はある場合も
年功序列はありませんし定年制も一般的ではありませんので、年下の上司、異性や外国人の上司も当たり前です。中途採用もたくさんあります。社長も社内昇進とは限らず、ある日突然社長交代が発表されたりもします。生え抜きを重用することもなく、学閥も外資には無縁です。
反面、一部の業界などにみられる傾向ですが、ある特定企業の出身者がその会社に一時的に増える現象がみられることがあります。中途採用が盛んであること、また他社からの引き抜きなども日常的にあることが背景にあります。特に社長や幹部のコネで、かつての同僚が新会社に引っ張られることが目立ちます。このため学閥ならぬ、会社閥のようなものが発生することがたまに見受けられます。
5.外資人材の働き方
グローバル化は外資人材には追い風
ジェネラリストよりもスペシャリストを目指す人が多く、その方が転職市場で売れやすいことも確かです。社長も専門職であることから、会社から会社へと転職していく社長さんもたくさんいます。
外資で働く人が特別に優秀であるということはまったくありません。むしろ日本企業で働く人の方が学生時代の偏差値は格段に高い傾向はあります。しかし、外資で働く人の方がよりグローバル人材に近いビジネスマナーやスキルを持ちあわせているからでしょうか、世界がグローバル化に進んでいく方向とベクトルがあっていることは確かなような気がします。
また外資の場合、個人として才能にあふれた人が多く、その分若いころから給与水準がかなり高いのが現実です。いわゆる60歳で定年するまでの生涯年収を考えるような消極的な考え方ではなく、その時々の時代に自分のプロフェショナル人材としての価値を世に問うような生き方が、外資で働く人には求められているのです。グローバル人材として活躍するための1つのオプションとして、もっと多くの日本人ビジネスパーソンに外資で働くことを検討してほしいものです。