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3.11後に考えたい夢のマイホームの落とし穴(2ページ目)

マイホーム購入は賃貸物件を探す何百倍も楽しく、ワクワクしますし、2011年は、住宅購入にはチャンスの年なのですが、叶えた夢と引き換えに困ったとこにならないようにしなくてはいけません。マイホーム購入の落とし穴について知っておきましょう。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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不動産という資産

マイホームを買うということは、資産の大部分を不動産につぎ込むことになります。人口が増え続け、景気が良ければ、土地の値段も上がるので自分の資産は増えることになります。ところが、すでに日本人の人口は減り始めており、少子化でひとりっ子同士が結婚すると、それぞれの両親の自宅を相続することになり、将来的には夫婦で2つお家を持つことになります。

1つを売ればいいのですが、築25年を過ぎると、ほとんど土地の値段になってしまい価値が目減りしてしまうので、思ったような値段では売れません。それでも、売れればまだいいほうかもしれません。すでに、全国で800万戸のお家が空き家で、30年後には空家率は40%前後になるとも言われているのですから。

もし先程のひとりっ子同士の夫婦が、自分たちで家を建てたらどうなるでしょうか? 両親がなくなるときには、それぞれ相続した家と自分たちの家で合わせて3つの家を持つことになります。

新築の家やマンションは、入った途端にもう2割~3割安くなってしまうと言われています。買ったばかりで2~3割の含み損を抱え、両親の家を土地同然の値段で売ったとしたら、高い買い物をして、せっかくある資産を生かせないことになります。

では、マイホームは買わない方がいいのでしょうか?

やっぱりマイホームが欲しい!

よくあるご相談が、両親と同居をするには今の実家は狭すぎるから、子どもの面倒を見てもらえる実家の近くに家を建てたいというケース。

この場合は、お子さんが大きくなるまで、実家近くの賃貸物件に住む選択肢も検討してみるとよいでしょう。「賃貸は自分の物にならないので損」なのではなく、手元にお金を置いておけるので、将来両親と同居となった時に、実家をリフォームして新築のマイホームを建てるより安く、ローンなしで新築そっくりにすることも出来るでしょう。

しかし、お金のソントクだけでは毎日の暮らしは語れません。賃貸物件はどうしても、コストを抑えて収益を上げるように作られたものですから、分譲物件と比べる一般的に見劣りしてしまいます。こだわりの暮らしがしたい!と思うなら、やっぱりマイホームという事になります。ここで、もう一度おさらいです。

一瞬にしてマイホームが壊れてしまっても、ローンは残ります。
資産価値が高い物を買ったつもりでも、何かの要因で価値が下がることがあります。

では、本気でマイホームが欲しい!と思っている人はどんな物件を探せばいいのでしょう。

こんな物件なら買い!

ひとことで言うと、マイホームを買っても資金的な余裕がある物件。これは、人によっても違いますからいくらと言えませんが、頭金に貯金を使い果たしたり、頭金0で買うことになってしまうようなことは、避けた方がいいでしょう。

マイホーム購入時に小さかった子供も、大きくなると支出が増えるので、しっかり貯金が出来ないような家庭は、毎月の住宅ローンの返済額も今の家賃と同じくらいではなくもっと低い額となるような物件を選ぶとよいでしょう。

駅近物件で将来は高く売れると思っていても、売れない事もあるので、思い切って駅から少し離れたバス停徒歩0分の物件の方がいいかもしれません。一旦人が入れば、中古になり買った値段では売れないのですから、新築にこだわらなくても、手入れのゆきとどいた中古を買うと、リフォーム代を入れても同じくらいの予算で新築よりも広い物件が買えます。

マイホームが欲しい!と思っている人は、両親の家の事、将来どこで暮らすのかも考え、今までとは違う視点で物件を探してみてください。


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