地震大国日本

以前、いくつもアパート経営をするオーナーさんに「同じ地域に不動産をいくつも持っていて大丈夫ですか?」と質問したことがあります。オーナーさんの答えは「100年に1回の地震におびえて投資のチャンスを逃していたら、人生が終わってしまう。それより毎月の家賃収入の方が十分価値がある」でした。

マイホームとアパート経営は違うのですが、地震なんて来ないよきっと、と多くの人が考えていたのではないでしょうか? 今回の東日本大震災で、地震大国だったことを改めて知らされたわけですが、実際に世界で起きているマグニチュード6以上の地震の20%が日本で起きているのです。

文部科学省研究開発局地震・防災研究課の全国地震動予測地図2011年版では、今後30年間に震度5弱の地震が25%以上の確率で起こる地域は、日本列島のほぼ半分! さらに、2009年に公表された地震動予測地図では「宮城県沖地震が30年以内に起こる確率は99%」となっています。

私もマイホームを購入する時に、お家の構造や浸水マップは念入りに調べましたが、地震マップはまったく見ませんでした。FPの教科書にも、地震マップを見てお客様に不動産購入のアドバイスをすることとは書かれていません。

ところが、ひとたび今回のような大きな地震が起こると、被災地から離れた駅近物件のタワーマンションであったとしても、液状化や節電、停電で、一瞬でその資産価値が目減りしてしまいます。

被害が少なくても修理は必須

実際、東京の我が家でも思った以上に壁や外壁がひび割れ、すぐに修理が必要な箇所が何か所もありました。日本のどこに住んでいたとしても、マイホームを購入するということは、

「修繕費用がかかること」
「地震による二重ローンのリスク」

この2つを覚悟しておかなくてはなりません。

地震保険は、お家と家財共に火災保険の保険金の50%まで加入できるので、仮に2000万円のお家で、家財は1000万円の火災保険に加入していたとすると、地震保険の保険金は3000万円の半分、1500万円が全損の時に受け取れます。

被害の大きかった東北の地震保険加入率は、青森県14.5%、岩手県12.3%、宮城県32.5%、秋田県12.0%、山形県12.1%、福島県14.1%です。30年以内に99%の確率で大きな地震が起こると言われていても、加入していない人が7割近くいるということです。35年ローンを組む場合は、ローン返済が終わるまでに地震は一度来ると思っておくくらいがよさそうです。

価値観が変わる

3.11の震災後のある日、あるお客様はご家族で沖縄に移住を検討中、また別のお客様は2年以内に会社を地方に移すことを計画中というお話を聞きました。お二人とも賃貸物件にお住まいです。

後者の方は、既に社員のひとりを地方の在宅勤務に切り替えたとのことですが、「東京でなければできないと思った仕事が、ネットを使って地方でもできるようになった」「何でもある東京も魅力的だけれど、安心して安く暮らせる地方の方が魅力的」「打ち合わせの度に上京しても、その交通費は東京の家賃より少ない」と同じことをおっしゃいました。

マイホームを購入するということは、そこで仕事を見つけ、暮らすということです。よって一度住んでしまうと、他の価値観をなかなか受け入れられなくなるのも否めません。当然、地方に行っても地震はありますが、土地代や生活費の高い東京に暮らすよりは、手元にお金を残しておけるので再出発しやすいのではないでしょうか。

さらに住宅余りという現実が……