家計簿・家計管理/家計管理の基本

貯金ゼロが2割も? 40代貯金なしが、まずは3カ月分の貯金をしたい理由

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、貯蓄を保有していないと回答した世帯は22%にものぼります。将来に備える貯金がない人はどうしたらいいのでしょうか。40代で貯金がゼロの人でも、まずは生活費の3カ月分は貯蓄できるようにしましょう。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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2021年の「貯金なし世帯」は22%にも!

「うち、将来への備えとしての貯金はないんです」そんな世帯が22%あります。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」による調査結果です。この調査では、金融資産の有無についての問いに、日常のお金の出し入れや引き落としに備えているお金は除くとしています。

ただ、将来に向けて貯金をしていない人が5人に1人もいるというのは少し問題かもしれません。全ての貯金なし世帯が、無駄遣いをしてお金が貯められないわけではなく、今はコロナ禍で収入が減ってしまったり、両親の介護をしている、病気がちな兄弟姉妹の面倒をみている、親の借金を返済している、子どもが入退院を繰り返し妻が働けない、自分も体が弱く仕事が限られるなどのやむを得ない事情がある人もいます。

収入が下がったなどの事情があるわけではないのに、お金を貯められない人を見ると「もったいないな」と思うことが多々あります。
 

40代からの貯蓄スタートでも遅くない。まずは生活費3カ月分を貯めよう

貯め癖がついていない人が貯金を始める場合、最初はちょっと大変です。お金を貯めるには、収入を増やすか、支出を減らすか、いずれにせよ頑張らなくてはいけないからです。

いくつになっても頑張れるのですが、70歳ではなかなか考え方は変えられませんし、体力も時間も限界があります。

しかし今40代の方は、定年退職まで10年以上もありますし、60歳以降も働くことを考えると、今から貯め癖をつければ老後も何とかなりそうです。こう話すと、一生我慢をしなければいけないイメージですが、そうではありません。

歯をくいしばってでも、ケチケチ大作戦をしてでも、とにかく貯めてほしいのが、生活費3カ月分です。ここがお金を貯める最初のポイントです。お金が貯まっていない人は、給料=生活費なので、給料の3カ月分と言った方が分かりやすいかもしれません。3カ月分の貯金があれば、急な出費や、失業、給料ダウンにも備えられます。このお金がないと、いざという時に借金をしなくてはいけません。

ここまでは、できるだけ一気に早く貯めたいので、我慢をしなければいけません。でも、我慢は3カ月分貯めるまで!と思えば一生続くわけではありませんから、ぐっと心のハードルも下がります。

それまでなかなか動かなかった重いトラックも、一度動き出すと今度は急に止まれないように、3カ月分貯めるころには貯められる仕組みを作って、貯められる人になっていることが多いのです。ですから、何としてでも3カ月分を貯めるまでは頑張りたいのです。
 

生活費3カ月分を貯める方法

お金を貯めるには、収入を増やすか、支出を減らすかのどちらかをしなければいけません。収入を増やすのは、働いていなかった妻が仕事に出たり、夫が転職をしたり、ダブルワークをしたりする方法があります。

実際に、「うちの生活費は25万円だから、3カ月で75万円。じゃあ、私がひと月8万円分働けば、10カ月で貯まるわ!」とすぐにパートの面談に行った妻や、深夜の仕事を始める夫、成績を上げるように頑張る営業職など、いろんな方がいらっしゃいます。

ところが、全ての家庭が収入を増やせるわけではありません。もっと簡単で今日からできるのは、支出を減らすことです。手取りの10%を毎月貯めるのが理想ですから、2年半で3カ月分貯まります。ボーナス時に普段の4倍を貯められれば、1年半で貯まります。1年、2年と聞くと長く感じるかもしれませんが、今から2年前は何をしていましたか? その時から今日まであっという間ではありませんでしたか? もし、その時から始めていたら、今頃しっかりお金が貯まっていたのです。
 

買い物と固定費の見直しで貯金増!

■食費の見直し
家計の見直しで、減らしたい支出のNo.1は食費です。しかし、いわゆる節約家庭の食費1万円台という数字を鵜呑みにしないようにしましょう。偏った栄養バランスで、体をこわし仕事ができなくなれば、とり返しがつかないことになります。見直すべきなのは、冷蔵庫や冷凍庫に食材を長期滞在させてしまったり、安いとつい買ってしまったりする行動。毎日スーパーに行くのではなく、ある物を使いきってから行く習慣を身につけましょう。買い方を変えるだけで、食卓に載る食事の量は変わりませんからケチケチした印象はありません。

■スマホの料金プラン見直し
スマホの明細をパソコンやアプリなどで毎月ちゃんとチェックしましょう。明細も見たことがないのに、お金が貯められない、なんて言っていてはいけません。今の使い方と料金プランがあっているか、使っていないオプション契約にお金を払っていないか、見直しましょう。家族全員で見直せば、月5000~1万円の節約になることも。

■保険の見直し
人生で2番目に高い買い物といわれる、保険も見直しましょう。大切なのはその家計にあっているかどうかです。十分すぎる終身の死亡保障や年金にいくつも入っていて、万一の場合や60歳を過ぎるころにはリッチになるけれど、今の家計は火の車では、本末転倒です。

いかがでしたか? 今すぐ100万円はポケットからでてきませんが、固定費を見直したり、買い物の習慣を変えたりするだけですぐにお金が貯まり始めます。そうするとうれしくなって、「本当にこれ、今必要かな? 来月でもいいかな?」「これを買おうと思っていたけれど、こっちでも代用できるかも」と考えてから買うようになります。

とにかく、生活費の3カ月分が貯まるまでは必死で貯めてみましょう。我が家も結婚した当初は、食パンは100円以下の時に買う、お肉はまとめ買いをして小分けにして冷凍、お風呂は一緒に入る、寒ければ着るなどのルールがありました。お友達に心配されましたが、見栄を張っている場合ではありません。絶対幸せが待っている!と思えば苦労でも我慢でもなく、楽しく毎日過ごせます。お試しあれ。

●参考 『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果』
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/

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