エンゲル係数って何?
「エンゲル係数」、なつかしい響きですね。家庭科の授業で習ったかと思います。ここで復習してみましょう。エンゲル係数とは、食費にかかるお金が家計(消費支出)の何%を占めるかで表されます。エンゲル係数(%)=食料費÷消費支出×100
エンゲル係数が高くなるほど、食費以外にお金がまわせない状態で、生活は苦しいとされています。総務省の家計調査によると終戦直後、昭和22年の全世帯のエンゲル係数は63%と高く、昭和28年は48.5%、昭和37年は39%、昭和54年は29.2%と、生活が豊かになるにつれエンゲル係数は下がっています。
2016年の働いている二人以上の世帯のエンゲル係数の平均は25.8%でした。貯金を除く、毎月使っているお金の4分の1が食費ということになります。もう少し詳しく見てみましょう。
年齢別のエンゲル係数
年齢によって、収入や世帯人数も変わります。世帯主の年齢別、収入、消費支出、食費とエンゲル係数の平均を表したのが表です(円・%)。●年齢
世帯主の年齢です。
●世帯人員(人)
一世帯の人数の平均です。
●収入
世帯主と配偶者の勤め先からの収入を合わせたひと月の世帯収入です。この中には、ボーナスや臨時収入を12で割ったものも含まれるので、実際のお給料より多くなります。
●消費支出
可処分所得(実収入-税金、社会保険料=可処分所得)の中の、実際に使ったお金。食費、住居費、水道光熱費、医療費等。つまり、消費支出以外のお金は、貯金とローン返済に回っていることになります。こちらも気になりますね。
●食料費
家でご飯を作る材料としての、米、パン、魚、肉、野菜、調味料等の他、酒や外食費も入ります。
●エンゲル係数(%)
エンゲル係数(%)=食料費÷消費支出×100
手取り収入と食費の割合ではなく、ひと月に使ったお金の中でどれくらい「食費と外食費」を使っているかという割合になります。
エンゲルの法則、最新データは?
ここ数年のエンゲル係数をウォッチしていると、収入が少なくなるとエンゲル係数が上がる時代から、収入が少なくなっても先行きが不安なのでさらに食費を削る時代がありました。2016年は、エンゲル係数が上昇しています。つまり、節約したいけれど、食品が円安などの原因で値上げされると節約には限界があるため、エンゲル係数は高くなります。
また、共働きが増えると、いわゆる「中食」と言われるお惣菜を買って家で食べる機会が増えるため、食費も上がります。
我が家のエンゲル係数は?
さっそく我が家のエンゲル係数を調べてみましょう。家計簿を付けている人は簡単です。付けていなくても、1ヶ月分の食費に関するレシートを取っておけば、大丈夫!●通帳
夫婦の通帳を用意して下さい。
1.貯金したお金は?
2.ローンや借金の返済額は?
3.生命保険等の保険料は?
4.税金、社会保険料は?
1~4の合計を、ひと月の収入から引いた物が実際に使ったお金=「消費支出」です。
●レシート
食料費とは、ご飯を作る材料費だけではなく、外食費や飲み代も入ります。家族全員に1ヶ月協力してもらい「食料費」を計算してみましょう。スーパーのレシート、外食した時のレシートを取っておきます。割り勘した時は手帳や携帯、スマホにメモをするか、自分のパソコンにメールを。自動販売機で買った物は、平日1日1回ペットボトルのお茶を買うなら、150円×21日=3150円とまとめて計算してもいいですね。
エンゲル係数(%)=「食料費」÷「消費支出」×100
さあ、何%になりましたか? 外食が多いと、エンゲル係数が跳ね上がります。グルメなご家庭やお酒が好きなご家庭も、収入に関わらずエンゲル係数が高くなります。食料を買うので精一杯という時代は終わりました。ライフスタイルで、エンゲルの法則が逆転することもあります。しかし、極端に高い場合や低い場合は、 無理をしていないか、他の支出にしわよせが行っていないか、それが将来の貯蓄にどう影響するか、一度考えるきっかけにしてみてください。
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