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真夏に発汗! 夏に辛い物を美味しく感じるワケ(3ページ目)

暑い日はなぜか辛い物を食べたくなるものですが、カレーやスパイスが効いたエスニックフードを美味しく感じるのはなぜでしょうか? 暑い日に辛味がもたらす効果について、ご紹介します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

エスニック料理がどれも辛いとは限らない

エスニック料理はどれも辛い、という思い込みがあります。現在使われている唐辛子は南米原産で、南米から欧州に持ち帰られたものが、世界中に広まったとされています。日本よりも暑い地域では唐辛子が日常的に使われているというのは思い込みです。フィリピンにはシニガンという米の磨ぎ汁を使った酸味の効いたスープがありますが唐辛子を栽培してないので食事は辛くありません。ベトナム料理はフランス料理の影響を受けていますが唐辛子は基本的なスパイスではありません。唐辛子の品種改良が非常に進んでいるハンガリーは日本より北にあります。

現在の国名でいうと、パキスタン、インド、バングラデシュ、スリランカは乾燥したスパイスを使う地域で乾燥した唐辛子、カイエンペッパーを使う地域です。この4ヶ国は人口も多く、高地を除けば日本より暑いのは確か。暑いと辛いが結びつくのは、いわゆるインド料理が一因なのかもしれません。

「辛い=赤い」というのは思い込み

日本の唐辛子、鷹の爪は赤みが強く、韓国のキムチに使われる唐辛子も赤いものです。タバスコは塩漬け唐辛子に酢を加えて作ります。赤い野菜が持つ主要な赤い色素はカロテン。トマトなどに多く含まれる色素はカロテンと区別して、「リコペン」と呼ばれています。サルサソースはトマトと唐辛子を使います。

唐辛子や、カロテンやリコペンを含む赤い食べ物を食べた時の視覚と味覚の記憶が結びついているため、赤色は辛味を連想させるようです。しかしターメリックの黄色が強いカレー粉や、タイ料理に使われる赤みはないものの辛さは強烈なプリックなどがあるように、辛いと赤いは実際には結びつきません。

爽快に汗をかきたい人にオススメ! 真夏の激辛料理

ソムタム、隠し味の緑の唐辛子に御用心!

ソムタム、隠し味の緑の唐辛子に御用心!

一般的なカレーや唐辛子の料理だけは飽きてしまいそうなので、最後に各国の代表的な激辛料理をご紹介します。
  • ペッパースープ……アフリカ料理とされているペッパースープは、最も辛い料理の一つ。食材は唐辛子(乾燥唐辛子)だけで作られています。
  • ソムタム(青パパイヤ)のサラダ……赤くない緑のプリッキーヌを使用したタイ料理。
  • チリコンカルネ……辛いチリソースを使った米国料理。
  • 火鍋……中華の代表的鍋料理。唐辛子が入った赤いスープの辛さは強烈。
  • スンドゥブチゲ……おなじみの韓国料理。イソフラボンとカプサイシンを同時に取ることができます。
  • サテ……インドネシアなど複数の国の、日本の焼鳥に似た串焼き肉。ペッパーソースの辛さは強烈です。

夏バテせずに夏を快適に過ごすには、食事からしっかり栄養を摂ることが大切! 暑い日にはスッキリ気持ちよく汗をかける激辛料理などを交えながら、この夏を健康に乗り切りましょう。
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