Leg Twoと『BLIZZARD DRIVE』
ガイド:では、本題とも言える5月21日に発売された『BLIZZARD DRIVE』について。このアルバムを制作する前、2007年に右大腿部切断という大きな苦難を乗り越えられたのですが、Shampooとしての活動を継続していくというのはごく当たり前の事だったのでしょうか?
折茂:
生きるか死ぬかって時は音楽どころではありませんでしたが、徐々に回復してきた頃(2009年)に「DRIVE TO 2010」のお話をいただいて、じゃあやるかって。そうそう、私はいつも周りの人に背中を押してもらって動いてきたと思います。Shampooを継続していくのは当たり前ではないけれど、人との関わりにおいて必然だったと感じています。
ガイド:
ジャケにも写っていますが、ご自身の義足を楽器化したLeg Twoを装着して演奏していますね。この世界でも唯一無二と思われる義足楽器はどのように思いつかれたのですか?
折茂:
義足に関しての夢はぼんやりと色々あったのですが、それを具体化しようと思ったのはやはりライヴがきっかけです。「DRIVE TO 2010」の出演が決まってから構想を練り始めました。まず「こんなポーズで奏でたい」という形から(笑)。音なんて出なくてもいいってくらいに、形から(笑)。それも、あながち夢ではないと思わせてくれる人材が友人にいたから実現したことなんですよ。制作には技術が必要でしたから。
ガイド:
どのような構造で音がでるのでしょうか? また、どんな音がするのですか?
折茂:
本体にギターシンセを取り付けています。弦が1本張ってあり、バイオリンの弓で弾いています。今のところエフェクティブなノイズがメイン。このあたりはPEVO1号氏(バチバチソニック)のアイデアと創意工夫によるものです。
005Harry*:
折茂さんが義足になる事は友人として当時とてもショックでしたが、その義足を楽器化したいという話が私の所に来た時は驚きました。しかし、その様に逆境さえも楽しんでしまう折茂さんに私も共感し、仕事としてというより殆ど自分の趣味として楽しんで製作しました。デザインなども私の自由にさせてもらったので作業はやり易かったです。
もしも苦労話があるとすれば、装着しても歩けるギリギリの重さ(軽さ)や、Leg Twoが衣装の邪魔にならない形状をある程度計算した位でしょうか…。立体的に見える様に手作業で様々なアールを削り出しましたが、それは苦労と言うより完成が近付いていく事も楽しめた感じです。
*005Harry=
バチバチソニックのドラマー。現在活動を休止しているPEVOのドラマーでもある。
アルミを絶妙なフォルムに削り出す技術をもつ。折茂昌美用の骸骨マイクも作品のひとつ。
ガイド:
ライヴでもLeg Twoでの演奏を見せて頂きましたが、義足がとてもメカニックであるが故、それがかえって美しいと感じました。表現として難しいのですが、偽の足ではなく、まるで体と一体化した美しいアクセサリーのような。
折茂:
ありがとうございます。最大の褒め言葉です。
義足は隠すもの、というのが今の日本の風潮なので、こうしたデフォルメした表現がネガとポジを逆転させる効果があったら楽しいと思います。