アルファロメオ/アルファロメオ

“アルファロメオ”をカジュアルに体現するミト

アルファロメオが初めてBセグメントに投入した3ドアハッチバック。8Cにインスパイアされたアルファらしい小股の切れ上がったデザインと、ファンな走りをみせてくれる。ブランドの本質である実用と趣味の両立を、最もカジュアルに体現しているモデルだ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

愛着が深まり、どんどんハマっていく

アルファロメオミト

マルチエアと呼ばれる1.4リッターターボエンジンに6速TCTを組み合わせたスプリント(278万円)、コンペティツィオーネ(292万円)に加え、最高出力170psを発生する1.4リッターターボエンジンと6MTを組み合わせた最上級モデルのクアドリフォリオ ヴェルデ(328万円)をラインナップ。ボディサイズは全長4070×全幅1720×全高1475mm

アルファロメオミト

マルチエアエンジンは吸気バルブで直接空気量を調節する技術を採用。低回転域でのトルクを15%向上、燃費消費量とCO2排出量を10%低減させる。最高出力は135ps、最大トルクは通常190Nmだがダイナミックモード使用時には230Nmまでアップする

いわゆる欧州Bセグメント(ポロクラス)にはじめて投入されたアルファロメオがミト。

フィアットグランデプントとプラットフォームを共有するが、まったくもってキャラはアルファらしく、小股の切れ上がったデザインとファンな走りをみせてくれる。

8C由来の内外装デザインだ。あの流麗なスポーツカーデザインを、ハッチバックに反映させるなんて、ちょっとやそっとの造形センスじゃできない。なるほどムリもあるけれど、それを茶目っ気にしてしまうあたりが、アルファロメオの遊び心ってものだろう。

インテリアのデザインや質感も、クラス最上レベルである。

アルファロメオミト

トリムカバーにはカーボンのようなハイテクエンボス加工が施される。後席には6:4分割可倒式を採用、ラゲッジ容量は270~950リッター

3ドアのみだが、まず実用車である。初心者でも楽しくドライブできる。それでいて、そこからが深い。走り味に深みがある。日々、発見。だから、どんどんハマっていく。改造だってしたくなる。足周りをちょっとハードに、サウンドをちょっと野蛮に、なんてことがすぐにやりたくなってくる。愛着が深まっていくからだ。

そういうクルマ、実は今それほどないし、Bセグメントにいたっては皆無じゃないか?

実用と趣味の両立がアルファロメオの本質で、ミトはその最もカジュアルな体現者である。入門用とはあえて言わない。アルファ好きのみならず、クルマ運転好きに進めたいハッチバックである。

アルファロメオミト

ステアリングやエンジンの制御などを統合制御するアルファロメオD.N.A.システムを備える。 走行モードはスポーツ走行時のダイナミック、市街地走行時のノーマル、滑りやすい路面でのオールウェザーの3つが選択可能

オススメは、やはりダブルクラッチシステム付き。このクラスのマニュアルミッションは、さすがに手放しで楽しいとは言えない。TCTの方が、かえってクルマのキャラに合っていると思う。
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