地盤の強弱については、例えば関東だけを見ても大きく丘陵地(洪積層)、台地(洪積層上のローム層)、低地(沖積層)に分けられます。このうち、低地の沖積層に比較的軟弱地盤が多いと言われています。
もう少し具体的に見てみると、最も軟弱な地盤である可能性があるのは湾岸部の埋め立て地。液状化や不同沈下が起こる可能性が高く、地震の揺れが伝わりやすいエリアです。浦安市などはこのような立地にありました。
ただ、比較的地盤が強いといわれる台地や丘陵地であっても、いくつか注意点があります。例えば斜面の場合は、過去に人工的な地盤の変更(盛り土や切り土など)が行われたケースもあり、その変更の仕方の質が問題となります。
湾岸地域以外でも液状化被害が発生!
さ丘陵地の住宅街の様子。切り土や盛り土をして宅地造成されているが、その手法の質も地震への安全性を大きく左右する
ところで、私は4月に入って浦安市の状況を見に行きました。新浦安駅周辺でも液状化被害が見られ、少し歩くと明らかに傾いていることがわかる住宅をいくつも見ることができました。まだまだ、被害の状況が生々しく残っている状況でした。
浦安市の場合、特に注目したいのが資産価値の問題です。人気の住宅地でしたから震災前には高い資産価値を誇っていましたが、震災以降の液状化被害により、資産価値を巡る環境が大きく変化したことは言うまでもありません。
住宅取得は資産を持つこと。同時にリスクに遭遇することとも無縁ではないということをよく表しており、東日本大震災はそうしたことも改めて考えさせる出来事でした。次のページでは基礎と地盤補強について考えてみましょう。