仕事と両立できる資産運用術/長期国際分散投資はこうやってやる!

国際分散投資ステップ3:アクティブ?パッシブ?

投資目的が決まり、期待収益率、株と債券の比率、地域分散戦略が決まったら、いよいよファンド選定と進みたい所ですが、その前に投資流儀を決めておいてください。アクティブでいくのかパッシブでいくのか、という選択です。どちらかに徹する固い決意をしなければ、成功はのぞめません。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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お金に不安のない人生を築くために、若いうちから自主年金を国際分散投資で作る。そのために、株と債券の比率を決めて、地域分散の戦略を決めて、いよいよ商品選択(ファンド選び)の入り口まで登りつめてきました。その前に、最後にもう一つ決断しておきたいことがあります。それは投資流儀の選択です。

アクティブファンドとパッシブファンド

アクティブにするか、パッシブにするか…

アクティブにするか、パッシブにするか…

日本には約3,000本の投資信託があります。その種類は投資対象によっていろいろな分け方がありますが、もっとも簡単な二分方はアクティブファンドかパッシブファンドかという投資スタンスの選択です。ほとんどの投資信託はアクティブで、パッシブは限られているので、まずパッシブファンドをご案内しましょう。

パッシブはローコストと安定した成績

パッシブとはその名の通り受け身な投資スタンスを意味します。マーケットなりに儲かれば良いという考え方であり、マーケットを上回るための余計なリスクは排除します。パッシブ運用はマーケットに劣らないことを最優先します。

パッシブ運用は株式市場の平均的収益を示す市場インデックスそのものの実現を目指しています。銘柄選択はインデックスの銘柄構成を丸写しで行いますからファンドマネジャーも要りません。予測を立てる必要もないので難しいことを調査研究する専門家も不要です。結果として運用会社の人件費が削減できるので、結果としてコストが安く済みます。コストというのは購入時の申込み手数料と保有期間中に徴収される信託報酬のことです。

パッシブファンドはインデックスファンドとも呼ばれます。インデックスファンドの欠点はインデックスには勝てないこととファンドの種類があまり豊富にはないことです。

アクティブはリスクもあるがリターンも期待できる

一方のアクティブファンドは、マーケットを上回る超過収益の獲得がその運用目的です。そのためにファンドごとに一定の予測を行い投資戦略を立て、インデックス銘柄構成とは異なる資金配分を行いより良い結果を出そうとします。良い方に出れば超過的収益が実現しますが、裏目に出ればインデックスに負けることもあるので、その分のリスクがあります。

どちらでもいいから徹すること

世界の中でもパッシブ運用を好む投資家が際立って多いのがこの国の特徴ですが、この二つの流儀の優越を言い切ることは容易ではありません。投資先進国のアメリカでも、アクティブのフィデリティ、パッシブのバンガードと支持を二分する巨大運用会社が競っています。また、パッシブがシェアを広げるとそこにはアクティブがつけ入る収益機会が増えると言われています。逆にみんながアクティブで勝負に出ればパッシブの勝率が上がるというように、甲乙つけがたい投資流儀です。必ず最初にしっかりと決めてかかってください。

相場がいいときにはアクティブでもうけて難しくなったらパッシブで守ろう、なんていう二股かけたやり方では大やけどを負うこと必至です。長期投資で大事なことは投資ポリシーが一貫している事なのです。なお、パッシブ、アクティブともに期待収益率は変わらないと想定しています。ですから、パッシブを選ぼうとアクティブを選ぼうと、その選択により株と債券の配分や地域分散が影響を受けることはありません。

次のページは「国際分散投資ステップ4:銘柄を選択する(定量評価)」です。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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