FRスポーツカーは生き残れるのか?
トヨタとスバルが共同開発中の「FRスポーツカー」(FR=後輪駆動)に関する情報が、少しずつ出てきている。ユーザーの反応を見ると「もう飽きた」とか「スポーツクーペの市場なんかないでしょう」。なかなか冷めており、しかも厳しい。アルテッツァやRX-8のように期待倒れに終わる可能性も出てきた。
それでも自動車専門誌は「数少ない期待の星」ということもあり、未だに「凄いぞ!」とか「ドリフト容易」などと気を持たせ続ける。どちらかといえば読者の方が逃げ腰になってしまってます。果たしてFRスポーツは売れるのだろうか? 最新の情報を含め、予想してみたいと思う。
ホンダS2000より小さく、そして重い
まずスペック。皆さんFRスポーツカーというと、どのくらいの性能を期待するだろうか? おそらく「必要にして十分」といったイメージかと。3リッターエンジンを積むBMW3シリーズくらいを期待しているハズ。しかしトヨタブランドの「FT-86」の場合、エンジンは2リッターと発表された。
ターボも付いていない2リッターの出力といえば、上を見て200馬力。一方、車重は衝突安全性の確保などで下を見て1250kg。不振のまま生産中止になったホンダS2000よりエンジンパワーは少なく、そして重い。試乗した人の多くが「これでスポーツカー?」という動力性能に留まると考える。
また、極めて狭いリアシートの2ドアクーペという市場も微妙。BMW3シリーズのクーペくらいの居住空間を持っていれば実用性もまだあるが、モーターショーに出展されるFT-86のリアシートは子供用といったイメージ。「クーペっぽく見える4ドア」というコンセプトだったRX-8より一段とスパルタン。