ドラマ/春ドラマ情報

2011春ドラマ概況:困難なときのために手に職を持て(2ページ目)

春ドラマは『JIN-仁-』がトップ独走、それに定番・刑事ものが続きここまでは予想通り。しかしその後はかなり意外。そこには日本が困難な状況にある中、生き抜いていくための鍵がある?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

程度がむずかしい

『幸せになろうよ』は今の時期、結婚するだけで幸せになるといわれても説得力ありません。恋愛ドラマにあくまでこだわる月9、過去2作は『流れ星』『大切なことはすべて君が教えてくれた』と新しいことにチャレンジしてたんですが、今回はキャスト頼みであまりにも時代からずれています。

『名前をなくした女神』は視聴率が高くはないけど、下落率は低く見始めた視聴者は逃しません。こういうのが好きな人は一定数いるようですが、同じ路線の『泣かないと決めた日』ほど尻上がりに伸びる勢いを感じません。

『生まれる。』『グッドライフ』『犬を飼うということ』『マドンナ・ヴェルデ』などはテーマはマジメなんですが、マジメだけでいいというもんじゃなく、どれも続けてみるためのなにかが足りません。
明るすぎても深刻すぎてもマジメすぎてもダメみたいです。

学園ドラマは……

『高校生レストラン』は好スタートですが、同じく学校が舞台、しかもシーズン2なのに『ハガネの女』は不振。これは作戦を間違えましたね。まず初回の2時間スペシャルが「シーズン1の4年3組進級スペシャル」とでもいうべき内容でした。これではシーズン1を見ていない視聴者にはわかりにくい。シーズン1のいいところを詰め込んだほとんど総集編スペシャルにしたほうがよかったような。そして第2話からは新しい4年4組に。シーズン1の子役メンバーはドリームチーム的すごさがあったけど、そこで集めすぎたためシーズン2はやや小粒。原作をはなれてオリジナル展開になったストーリーは悪くないんですが、全体としてシーズン1ほどのインパクトがありません。

学園ものの残る2つ『アスコーマーチ』と『鈴木先生』は低視聴率でこのグラフの中に入ってきません。近年の大ヒットというと『ごくせん』と『ROOKIES』のようなオーバーな感動作ぐらいで、学園ドラマには難しい時代なのかもしれません。
それでも2作とも見るべきものがないわけではありません。『アスコーマーチ』は工業高校を真正面から扱っているといるところが新しいし「手に職」という流れにも乗っているんですが。

『鈴木先生』は主人公(長谷川博己)がモノローグでひたすら悩みまくるのをはじめとして登場人物の内面をきめ細かく追ってます。正直、そこまで深く考えなくてもいいだろ? と思うぐらいに。いままでの学園ものにはないパターンを展開しています。視聴率を気にせずできる深夜ドラマの方がよかったんじゃないでしょうか。
視聴率グラフ

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