ドリームキャストの生産が終わってから、10年が経ちました
据え置きゲームハードシェア争いに敗れ、儚く散ったハード。ドリームキャストのお話です。
今振り返れば、非常に進歩的、挑戦的、前のめりなハードで、広く一般的には受け入れられたとは言い難いものの、一部のコアユーザーからはとても愛されていました。その、ドリームキャストの生産が終了してから、10年が経ちます。もしかすると、ドリームキャストなんてよく知らない、というゲームユーザーもそろそろ増えてくる頃かもしれません。
でも、10年経ったからこそ、あのハードの偉大さがよく理解できるようになった、そんな風に感じることがあります。ここでちょっと、あの懐かしい時代、ドリームキャストの思い出話をしてみたいと思います。
真夜中に繋げたオンラインの感動
フキダシで他のプレイヤーと会話するのが非常にユニークで、楽しかったPSO。今でも続編が発売され続けています。
もちろん家庭に光回線なんてありません。それどころか、ADSLもないんです。オンラインに接続すると、1分いくらで回線使用料がかかって、普通に遊ぶと大変な金額を請求されてしまいます。なので、深夜11時から翌朝8時までの間だけが定額制になるテレホーダイというサービスに加入して、みんな夜中にインターネットをしていました。
しかし、あの時の高揚感は忘れられません。ガイドは当時大学生でした。友達と、オンライン対応ソフトのファンタシースターオンライン(以下PSO)をみんなで遊ぼうと、夜中の時間に約束して、ゲームを始めるわけです。今みたいな便利なソーシャル機能もついていないので、携帯電話……ではなく当時持っていたPHSで連絡を取りながら待ち合わせの場所を決めて、集まります。
ゲームの世界で初めて友達と会えた時の喜び。みんなで冒険に出かけ、ゲーム内通貨であるメセタの分け前で揉めて、ドラゴンに圧倒され、気がつけば明け方です。友達と一度遊んだら、次は同じゲームをしている知らない人とも遊んでみようと考えます。初めて声をかける時のドキドキ感。嘘でも大げさでもなく、キーボードを叩く指が震えます。それはもう、面白いなんて感情ではありませんでした、トキメキとでも表現すべき高まりを感じていました。ゲームってすごい、新しい時代がきた、そう思いました。
次は、ドリームキャストといったら忘れることができない、ビジュアルメモリや、数々の名作タイトルについてお話したいと思います。