鎌倉文学館
~芸術に造詣の深い文学者たちの足跡をたどる
大佛次郎や川端康成、小林秀雄に立原正秋、澁澤龍彦などなど、鎌倉という土地から連想される作家は非常に多数。そして、その多くが芸術を愛し、小説や随筆にて芸術作品について言及を重ねました。彼らの文章に触れたことがきっかけで芸術に興味をもたれた方も多いはず。鎌倉文学館は、鎌倉にゆかりのある文学者たち約300名について原稿・手紙・愛用品等をはじめ、さまざまな資料を展示している資料館です。
「鎌倉文士」と呼ばれた、第二次世界大戦前後に鎌倉に暮らした作家たちから、平成の時代にいたるまでの作家たちの足跡、また鎌倉時代の歌人たちまで幅広く紹介されています。
また、その美しい建物は、現在までも名前を轟かせる加賀の大名、前田利家を系譜に持つ旧前田侯爵家の鎌倉別邸。建設当初、多くの別荘があった鎌倉でしたが、そのなかでもこの邸宅は特に大きく、アール・デコの洋式が随所に見られる非常に美しい建物。三島由紀夫は小説『春の雪』に登場する別荘のモデルとしてこの建物を取材し、描写しました。
そして文学館のもう一つの美しい場所が広大な庭園。600平方メートル弱のバラ園は特に5月中旬から6月下旬、10月中旬から11月下旬が見ごろ。「鎌倉」「静の舞」「流鏑馬」「星月夜」など、鎌倉にゆかりのある品種のものや、なかなか見る事ができない外来種のものなど187種、222株ものバラをたのしむことができます。
<DATA>
住所:神奈川県鎌倉市長谷1-5-3
TEL:0467-23-3911
開館時間:
3月~9月 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
10月~2月 9:00~16:30 (入館は16:00まで)
休館日:月曜 (祝日の場合は開館)、展示替期間、特別整理期間
※5・6月、10・11月は臨時開館あり
入場料:展覧会により異なる
公式サイト
鎌倉市川喜多映画記念館
~日本の映画文化を根付かせた夫妻の記念館
日本の映画史に大きな足跡を残す、川喜多長政、かしこ夫妻。戦前より欧州に太いパイプを持ち、レニ・リーフェンシュタールの『民族の祭典』や、ルネ・クレールの『巴里祭』など、戦前より数々の名作を日本に配給し、戦後も『第三の男』や『天井桟敷の人々』など、多くの名作を日本に輸入、配給してきました。ちなみに、『巴里祭』の原題は「Quatorze Juillet(7月14日)」。フランス革命が始まった日ですが、川喜多夫妻はこの映画を見たとき「パリのお祭りのようだ」という感想を抱き、この邦題になりました。現在でも、7月14日の革命記念日のことを、「パリ祭」と呼ぶことがありますが、これはこの映画にちなんだ呼び方。日本でのみ通用します。
この川喜多夫妻の旧宅跡に2010年に開館したのが、この鎌倉市川喜多映画記念館です。
夫妻の邸宅跡地に作られた記念館では、川喜多夫妻の業績を称える展示のほか、企画展も年間で開催。会期ごとにテーマにちなんだ映画の上映や、講演会、ワークショップなども開催されています。
ミュージアムショップには、日本では手に入りづらいカンヌやベルリンなど海外映画祭の公式グッズも扱っています。
かつてはフランソワ・トリュフォーやアラン・ドロンも川喜多邸を訪れていたそう。和の趣がありながら欧州の文化が香る記念館です。
<DATA>
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-2-12
TEL:0467-23-2500
開館時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月曜 (祝日の場合は開館、翌平日に振替休館)、展示替期間、年末年始
入場料:通常展 一般200円、小中生100円
特別展 一般300円、小中生150円
公式サイト
いかがでしたでしょうか?
いつでも、何度でも訪れるたびに新しい発見がある鎌倉。近ごろは新しいお店やカフェも続々と誕生し、一日では回りきれないほど。ぜひ、おでかけしてみてください。
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※AllAbout [鎌倉・江の島]