首すわり前の赤ちゃんのスプーン授乳とコップ授乳の方法
スプーンやコップでの授乳は面倒と思われるかもしれませんが、汚染の恐れがある哺乳瓶を使うよりも、赤ちゃんを観察しながら授乳ができて安心です。スプーン授乳やコップ授乳は慣れれば意外と簡単です。出生当日でも、人工栄養が必要な場合にはスプーンで授乳できます。
最初に、お母さんと赤ちゃんが授乳に集中できる環境を整えます。周囲で動く人・物、高い音、まぶしい光を遮りましょう。できれば、周囲をカーテンで覆います。赤ちゃんは、言葉や頭で「ここは安全な場所」と理解することはまだできません。野生動物の親子の授乳シーン(テレビで見たことはありませんか?)を思い出してください。あらかじめ30分程時間を取り、途中で邪魔されないように授乳中と周りに知らせしましょう。
まず、スプーン授乳で赤ちゃんの飲み方に慣れます。赤ちゃんを立て気味に抱き、首の後ろを支えます。スプーンを自分の唇に当てて温度を確かめてから、スープ料理をスプーンで食べる時のイメージで、赤ちゃんの下唇に当て、飲み始めるのを待ちます。ゆっくり何回かに分けて授乳すること、こぼしても気にしないこと(あごの下にタオルを敷いておきましょう)、1回の授乳量は気にしないで、赤ちゃんの満足感が伝われば問題ありません。2回続けて(約6時間)全く授乳できない場合は、可能なら専門スタッフのアドバイスをもらいましょう。
スプーン授乳で赤ちゃんの飲み方の要領がわかったら、コップ授乳はまず問題なくできるはずです。底の浅いコップに半分ほどミルクを入れ、何回かに分けて授乳します。決して、焦って流し込んではいけません。赤ちゃんが上手に飲める姿勢になったら、最後まで体と頭の角度を変えないようにしましょう。
スプーン、コップのほか、レンゲ、ドレッシングの小容器も使える
今回の記事を書くにあたって、100円ショップで手に入るものを使って試してみました。使い捨てスプーン、レンゲ、使い捨て紙コップ(スーパーの試飲コーナーなどで使われる140ccサイズ)、ドレッシングを入れる小容器、プラスチック湯飲み茶わんなど、いずれも授乳できました。哺乳瓶に比べ、面倒と感じるかもしれませんが、慣れたら10分もかかりません。哺乳をずっと見守ることが愛情をあげることだと思ってください。
首がすわった赤ちゃんのコップ授乳
3、4ヶ月健診が済み、首がすわった赤ちゃんの場合、マグカップや湯飲み茶わんを使って、焦らないで授乳すれば難しくありません。生後6ヶ月をすぎたら、離乳食(補完食)や、短期間(2、3日)なら市販のスポーツドリンクや果汁ジュースなども利用可能です。2人羽織のように膝の上で後ろから抱っこし、カップであげても、赤ちゃんは安心します。
被災地で、清潔な哺乳瓶の数が足りない場合は、どうしても哺乳瓶が必要な新生児を優先にし、首がすわった乳幼児は、清潔なコップや使い捨て紙コップで授乳します。
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