乳腺炎/乳腺炎関連情報

災害時に覚えておきたいスプーン授乳とコップ授乳(3ページ目)

災害時こそ母乳育児を続けることが重要ですが、さまざまな状況で、人工栄養に頼らざるを得ない場合もあります。それまで人工栄養だった方も、災害時には、哺乳瓶や乳首の消毒が問題になります。そんなときのために、スプーンやコップを使った授乳の方法を覚えておきましょう。スプーン授乳とコップ授乳は哺乳瓶が普及する前は当たり前だった授乳方法。そのメリットや具体的な方法について解説します。

赤岩 明

執筆者:赤岩 明

妊娠・出産ガイド

スプーン授乳とコップ授乳が見直される本当の意味

育児は飼育とは違います。松田道雄さんの著書『定本 育児の百科』(岩波書店)に、こんな言葉があります。「飼育と育児の違いは? 飼育は太らせることが目的であり、育児は愛することが目的である。」
 

哺乳びん

哺乳瓶で授乳するときも、母乳のときのようなスキンシップが必要

災害時の授乳方法としてスプーン授乳とコップ授乳が見直されつつありますが、もう一度哺乳瓶での授乳について考えるきっかけにもなりました。

赤ちゃんが哺乳瓶でミルクを飲む姿は、かわいらしくて微笑ましいですね。でも、何かが足りないと思いませんか?
 

哺乳びん列

家畜の飼育のような哺乳瓶授乳(かつての新生児室のイメージを再現)

では、こちらの写真はどうでしょう? かつて、多くの産科病院の新生児室で見られた風景をフィギュアを使って再現しました。

粉ミルクと哺乳瓶の発明は、この100年の人口の急激な増加の要因のひとつと考えられています。つまりは、さまざまな資源の需要増加の要因です。

赤ちゃんでなくても、もし、自分が嚥下障害のある病気や寝たきりになった時に、スプーンで食事を介助してもらうのと、家畜のように時間毎に哺乳びんやチューブで栄養されたりするのとでは、どちらが望みでしょうか。そう考えると、スプーン授乳とコップ授乳の意義がさらに実感できるでしょう。「私たちは飼育ではなく、育児をしているんだ」ということを、頭の片隅に置いておいていただけたらと思います。


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