海外資産買収で飛躍する中国海洋石油
2010年11月28日、中国海洋石油が50%の株式を保有している子会社ブリダスは、70.6億米ドルで英石油メジャーのBPが保有するアルゼンチンのパン・アメリカン・エナジー(PAE)の株式60%を買収することで合意したと発表。この取引は2011年上半期に完了する予定です。ブリダスは中国海洋石油の子会社である中国海洋石油国際とブリダス・エナジー・ホールディングスが2010年3月にアルゼンチンで設立した合弁会社で、それぞれの出資比率は50%ずつです。ブリダスはもともとPAEの株式の40%を保有しているため、今回の取引完了後、ブリダスが保有するPAEの株式は100%になり、中国海洋石油はPAEの株式の50%を保有することになります。PAEはアルゼンチン2位の石油と天然ガスの生産業者です。中国海洋石油の予測によると、PAEの株式買収後、中国海洋石油の原油・ガスの確認埋蔵量と1日当たりの生産量はそれぞれ4.29億バレルと6.8万バレル増加し、それぞれ中国海洋石油の2009年の確認埋蔵量の16%と2010年の1日当たりの予測生産量の8%に当たります。
JPモルガンによると、この買収によって、中国海洋石油の2011年の埋蔵量と生産量はそれぞれ15%と7%が拡大します。ただ、アルゼンチン政府は同国の石油開発業者の販売価格を42米ドル/バレルを上限にしているため、今回の取引は中国海洋石油のEPSの増加に1%しか寄与できないとも。それにしても、買収による保有埋蔵量の増加が材料視され、買収発表の同日、中国海洋石油の株価は1.66%上昇しました。ちなみに、BPはPAEの株式売却による資金収入をメキシコ湾の石油流出事故の関連費用に用いる計画です。その事故で、BPは400億米ドルの関連費用を支払う見込みであるため、2011年末までに250~300億米ドルの資産売却計画を立てたのです。これまでに処分された資産は約210億米ドルになっています。
今回の買収を含め、2010年に入ってから、中国海洋石油が海外資産買収に投じた金額は合計で約70億米ドルに達しています。なお、中国海洋石油とBPは中国南海の石油開発プロジェクトについて交渉しているとの観測もあります。
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