中国本土株、香港株とも7年ぶりの高値更新!

中国株高騰の背景には金融緩和や景気刺激策への期待感があります。中国政府の政策方針が変わらなければ、当面、中国株の上昇は続くことが期待できます

中国株高騰の背景には金融緩和や景気刺激策への期待感があります。中国政府の政策方針が変わらなければ、当面、中国株の上昇は続くことが期待できます

中国株が高騰しています。2015年1月1日~4月10日までの中国の代表的な株価指数の年初来騰落率を見ると、上海総合指数(日本で言えばTOPIX)が+24.7%、深セン総合指数(日本で言えばJASDAQインデックス)が+51.9%、創業板指数(日本で言えば東証マザーズ指数)が+73.5%となっています。同期間のニューヨークダウは+1.3%、日経平均は+14.1%の上昇でしかないことを考えると、その上昇の激しさがおわかりいただけると思います。

そして、3月27日に中国証券監督管理委員会(CSRC)が中国本土の公募ファンドの滬港通(上海市場と香港市場の相互株取引制度)における規制緩和(QFII(適格国内機関投資家)資格を取得しなくても香港株に投資できるようにするといったことなど)を発表すると、今度は出遅れていた香港株にも中国本土マネーが流入して急騰。3月30日(月)~4月10日(金)の2週間で、香港に上場する中国企業(H株)の値動きを示すハンセン中国企業株指数(H株指数)は+17.6%の上昇、香港の日経平均ともいうべき香港ハンセン指数も+11.1%の上昇となりました。

中国本土市場(A株)と香港市場の両市場に重複上場する銘柄の多くが急騰したほか(同じ銘柄であるのにH株の方が大幅に割安だったため)、中国最大の携帯キャリアである中国移動(00941)や中国最大級のインターネット企業であるテンセント(00700)、香港証券取引所(00388)など、中国本土市場に上場していない香港株も大幅高となりました。

2014年11月から開始された「滬港通」は開始以来、低調な売買で、設定されていた一日当たりの限度額を遙かに下回るのが常でした。しかしイースターと清明節の連休が明けた4月8日(水)は上海から香港への買越額が、制度開始後初めて限度一杯に達し、場中で売買がストップされました。4月8日の香港市場の売買代金は2007年に記録した過去最高を大幅に上回る2,500億HKドルにまで膨らみました。まさに中国人の香港株爆買いです。

中国株はどうして急騰しているのか?今後も上がるのか?

ところで、どうして中国株は上昇しているのでしょうか? 原因は金融緩和策や景気刺激策への期待です。ここまで株価が上昇しているのだから、中国の経済状況も良くなっているかというと、実はそうではありません。中国の経済指標はむしろ悪い数字が発表されているのです。しかし、それがかえって追加金融緩和や新たな景気刺激策発表への期待感を強め、株価を押し上げている状況です。

2014年後半からの中国株の上昇は、経済低迷の末期に実施された金融緩和によって、実体経済よりも先に株価が騰がり出す、金融緩和による株価上昇なのです。中国では2014年11月に、2年4ヶ月ぶりに利下げが実施されました。前述の上海総合指数は2014年10月末から2015年4月10日までの約5ヶ月で+66.7%も上昇しています。

しかも、金融緩和を行っているのに中国の景気は、まだそれほど良くなっていません。たとえば、中国企業の景気先行きを示唆するHSBC中国製造業購買担当者景気指数は景況感の境目である50を下回っています。50を下回るということは業況が縮小に向かっていることを示唆しています。しかし、それだからこそ、今後の更なる金融緩和や景気刺激策への期待が高まっているところです。2015年3月に行われた中国の国会に相当する全国人民代表大会の記者会見でも、李克強首相が「必要に応じて的を絞った景気てこ入れ策を行う用意がある」と述べています。

中国株の先行きを予想する上での最も重要なポイントは中国政府の政策がどうなるか?です。中国政府が景気てこ入れ策を行う方針を変えなければ、中国株の堅調な株価推移はしばらく続きそうです。特に、中国本土株に対して出遅れている香港株は注目できると思います。

ちなみに国営の新華社通信は2015年4月6日(月)の記事で、証券当局が(A株市場における)IPOを新たに認可したものの、これが株価上昇の勢いを阻むことはないとする強気の見通しを示しています。また、中国政府系の中国社会科学院金融研究所と社会科学文献出版社が2014年に発表した金融白書の中では、2015年の上海総合指数は5,000ポイントに到達する可能性があるとされています。の背景には、株価上昇が続けば中国政府が推し進めている国営企業の改革が一層やりやすくなることがあるのだと思います。したがって、当面、中国株が強い状況は継続すると見ています。

参考:中国株通信

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