中国最大のネット企業テンセント(騰訊)

圧倒的な力技で中国ネット業界を席巻するテンセント

圧倒的な力技で中国ネット業界を席巻するテンセント

テンセントは2004年6月、香港市場に初めて上場した中国インターネット企業で、2008年6月10日に香港ハンセン指数採用銘柄に格上げされました。

同社の強みは中国最大のインスタントメッセンジャー「QQ」です。無料で提供されますが、これで膨大な会員プラットフォームを作り、ゲームなどの各種有料サービスに誘導するというビジネスモデルです。2011年末の「QQ」のアクティブユーザー数は前年比11.3%増の7億2100万人になっています。中国でメッセンジャーを使う人の99%が「QQ」を使用しているような状況です。

急激な成長時期は過ぎたが長期見通しは依然有望

同社はこれまで無料会員を7億2100万人まで増やし、これらのユーザーにゲームを販売して収益を伸ばしてきました。しかし中国でメッセンジャーを使う人のほとんどがQQを使っている状態であり、中国のインターネット普及が急成長期を過ぎたこと考えると、無料会員の伸びは人数的に天井に近づいています。また、米国の大手ネット企業に比べ、テンセントはイノベーションや独自性、あるいはデザインなども含めたセンス力に欠ける気がします(多くの新興国のネット企業は少なからず同様ですが)。

ただ何かを素早くコピーすることと、猛烈な勢いでそれを普及させる力技に優れている印象です。他社が開始してブームとなりつつあるものはすぐに真似をし、力ずくであっという間にシェアを奪い取っていく力に長けています。

その最大の原動力となっているのは7億2100万人となった無料ユーザーのプラットフォームであり、そこに圧倒的な資金力に物を言わせ、買収、事業投資、研究開発、人材確保に大金を投じ、流行りものを自らのサイトで普及させることができます。

このように考えていくと、無料会員数は天井に近づき、これまでのような急成長時期は過ぎたものの、スマートフォンを含めたセキュリティー対策ソフト、さらにはグリーやDeNAのようなソーシャルゲームの世界まで、中国には様々なインターネットサービス分野が手付かずで残っており、テンセントにも成長余地は残されているはずです。