ベーシックモデルにこそ運転する歓びを
2005年に5代目へとモデルチェンジを果たしたミドルクラスサルーンとツーリング(ステーションワゴン)。320i(サルーン AT 445万円、MT 434万円、ツーリング 465万円)、325i(サルーン 547万円、ツーリング 567万円)、335i(サルーン 686万円、ツーリング 706万円)を用意する。クーペやカブリオレに加え、ハイパフォーマンスモデルのM3もラインナップ
何しろ、世界中のメーカーでこのクラスの新規開発を担当するエンジニアの多くが3シリーズをまず乗り倒すのだ。駆動方式やステータスに関わらず、まずは買って乗って分析する。プロが好むクルマの筆頭と言ってもいい。そして、特にドライバビリティの面で、彼らは3シリーズから多くを学び、自社のコンセプトと合う部分のエキスだけを抽出して、時にはフリカケレベルになるけれども、新型車に反映するのだ。
スタンダードだからといって、きれいにまとまったクルマ、という意味ではない。むしろその逆で、居住性や積載性よりも運動性能にこだわっており、ユニークである。フツウは、BMW以外のエンジニアがこのクルマから学ぶことなど何もないように思う。
表面的にはそうだろう。スペックや機能など参考にならない。けれども、それこそクルマの味付けの方法や、キャラの付け方、なぜ多くの人が3シリーズに憧れるのか、といったコンセプトの奥深くを知ることが目的だと思う。
ちょうどいいサイズの、ベーシックなサルーン&ワゴンだからこそ、運転する歓びが十分あった方がいい。単なる移動のための道具ではないクルマの本質を物語るクルマでもある。
クーペはサルーン同様に320iから335iまでをラインナップ(468万~729万円)。335iは7速DCT(ダブルクラッチトランスミッション)を搭載、よりスポーティに仕上げられた。カブリオレは7速DCTの335i(815万円)のみとなる