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“らしさ”は十二分、BMWの凄みを秘めた1シリーズ

ラインナップのスタート地点となる1シリーズは、入門用やBMW乗りのダウンサイジングに納得のコンパクトモデル。FRを貫きBMWらしい走りで、“らしさ”の演出も十二分だ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

唯一無二なブランドのエントリーモデル

BMW1シリーズ

2004年に登場したFRのコンパクトハッチバック。本国では3ドアモデルも販売されているが、日本には5ドアのみが導入された。スポーティなクーペと、ソフトトップのカブリオレもラインナップする。価格は5ドアモデルが299~504万円、クーペが385~573万円、カブリオレが449万円となる

BMW1シリーズ

前後重量配分は50:50を達成。5ドアモデルのサイズは全長4240mm×全幅1750mm×全高1400mm。最高出力122psの1.6リッターエンジンを搭載する116i、170psの2リッターを搭載する120i、258psの3リッターを搭載する130iをラインナップ。6ATを組み合わせるが、130iのみ6MTも用意される

BMWブランドに憧れる人は多い。よし、買うぞという段になって、リスト化されたカタログをまずは開いてみるだろう。ひょっとすると、価格の安い順にソートしたりするかもしれない。そこまでしなくても、BMWのモデルラインナップが基本数字で表されていて、数字が大きくなるほど性能やグレード、ランク、ステータスが上がるということは、すぐに理解できるはずだ。

1シリーズは、1というのだから、BMWラインナップのスタート地点である、と誰もが理解する。それゆえ、初心者や入門者向きというイメージが強くなるだろう。それは否定しない。

が、実は1シリーズにこそBMWの凄みが隠されていたりする。何か……。

BMW1シリーズカブリオレ

カブリオレは2リッターエンジンに6ATを組み合わせる120iのみが用意された。ソフトトップは約22秒で開閉、40km/h以下なら走行中でも開閉することができる

1シリーズが属するのは、VWゴルフに代表されるコンパクトハッチバックが幅を利かせるクラスで、すべてのモデルが室内空間の確保と生産コストを考え、前輪駆動(FF)方式を採っている。

ところが1シリーズだけは、後輪駆動(FR)を貫いた。もちろん、車台を活用したいという理由もあるが、それにも増して、BMWはBMWらしく走らなければならない、というプライドの方が強かったのだと思う。そして、そのプライドこそがBMWというブランドを唯一無二のものとし、最も多くの人が憧れる輸入車ブランドになったのだろう。

だから1シリーズは、BMWワールドを知るための入門用としても100%機能するし、BMW乗りがダウンサイジングしてきても十分に納得できる仕上がりになっている。

BMW1シリーズクーペ

最高出力306psを発生する3リッター直6ツインスクロールターボに7速ダブルクラッチトランスミッションと6MTを組み合わせた、さらにスポーティな135iを用意。2010年に2リッターに6ATを組み合わせる120iも追加設定されている

スタート地点にあるモデルだからといって、手抜きはナシ。安いには安い理由があるのだが、“らしさ”の演出は十二分だ。

もちろん、中にはマニア向けのモデルも存在する。たとえば2ドアクーペの135i。これはもうM要らずの楽しさ。そういうことを具現化できるのは、ベーシックなモデルのデキがいいからに他ならない。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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