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もしもの災害時に猫を守る方法

もしもの災害に見舞われたとき、同居している猫を守れるのはあなただけ。まずは猫の目になって部屋の中の危険を探してみましょう。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

いまだかつて誰も経験したことがない大地震・大津波に遭われた被災地のみなさま、関係者さまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。また一日も早い救助と復旧をお祈り申し上げます。

災害はいつ、どんな形で身に降りかかってくるかわかりません。災害に備えてどれだけ準備をしても、十分には役に立たないかもしれませんが、ここでは猫と暮らすみなさまの、もしものときにお役に立つかも知れない情報をお届けします。

猫になって部屋をみると……

まず最初に、自分の身体を低くして目の高さを猫の体高に合わせ、猫の気持ちになって部屋を見渡してください。猫の目の高さはだいたい床から30cm程度。床すれすれから部屋を見上げると、あそこから物が落ちてきたら危ないなとか、置いてあるものが不安定だったりなど、いつもの人間目線では気づかないところが目につくでしょう。

家具や大型の電化製品は固定されていますか?床すれすれの場所を移動する猫には、家具が動くだけで壁際などに閉じこめられてしまう可能性もあります。家具は天井や壁などで固定して、ずれないようにしておきましょう。キャットツリーなども天井で固定できるタイプの方が安心です。

しかしたとえ家具が固定されていても、室内に置かれた様々な「もの」が揺れで凶器に変身します。肩より高い位置には、できればものを置かないか、置くのであれば固定してください。また戸棚に入れてあっても開き戸は地震の震動で簡単に開いてしまい、中のものが飛び出してくる恐れがあります。ディスカウントショップや100円均一ショップの災害コーナーには開き戸のストッパーなどが販売されていますので、是非探してみてください。

しっかり抱かれて顔を見て一安心

しっかり抱かれて顔を見て一安心


もしものときの避難所を用意しておく

猫の目線で部屋をみる目的はもうひとつあります。もし自分が猫で、なにか恐怖を感じたら、とっさにどこに隠れるでしょうか。猫の気持ち・目線で部屋のどこを目指すか探してみてください。

怯えた猫がとっさに飛び込みやすいのは、低い位置の狭くて薄暗い場所です。住み慣れたところでは、ある程度隠れる場所が決まっていて、一度でも潜り込んだことがある家具の下などを目指します。猫は頭が入ってしまえば、隠れている気分になれるようで、かなり狭いところでも無理矢理頭を突っ込もうとして、ケガをすることがあります。

そんな危険を避けるために、避難箱を用意しておいてはいかがでしょうか?猫の目線でソファやテーブル、タンスの隙間など猫が好みそうな場所の目星をつけ、そこに段ボールの避難所を用意します。箱は猫が身体を丸めるとすっぽり入る程度の小さなものでOKです。箱が大きすぎて隙間ができると猫はその空間を不安がって落ち着けなくなります。ダンボルー箱を閉じて、1カ所に丸い穴を開け、中に肌触りの良い敷物を入れてあげましょう。この避難箱を何個か用意して、先ほど目星をつけた場所に置きます。いざというときの避難箱だけでなく、日頃の猫のお気に入りスポットになること間違いなしです。

もしもの災害で帰宅できなかったら?

仕事や用事で家を離れているときに災害が起こると、すぐに帰宅できない可能性が出てきます。実際、今回の地震で首都圏の交通網は完全に遮断され帰宅難民で街はあふれかえりました。

猫の同居人にとっては、何が何でも一刻でも早く帰宅して猫の無事を確かめたい、ご飯をあげたいと思うでしょうが、まずは自分の安全を優先してください。徒歩での帰宅が難しい場合は、交通機関の復旧を待つまで休める場所を確保しましょう。健康な猫であれば、ひと晩~二晩程度、食事がなくてもいのちに関わることはありません。無理に家路を急ぐことで二次災害に巻き込まれる恐れもあります。なんとしても猫の元に返りたい!という気持ちがあるのであれば、落ち着いて余裕を持って行動するのが一番です。

しかし、帰宅できないことも想定してトイレを余分にもう1個セット、また水飲みの器を複数箇所に置いて出かければ安心できるでしょう。今回の揺れでは、我が家でセットしていた水入れの水が半分ほどこぼれてしまいました。食べ物は2日程度なくてもやり過ごせても、水は飲めるにこしたことはありません。数カ所に水入れがあれば、もしものときのいのち水になるかもしれません。

ハーネスやリードに慣らしておくと安心です

ハーネスやリードに慣らしておくと安心です


ご近所に猫友をみつけましょう!

これも今回の地震での経験ですが、電話が通じなくても携帯やPCのメール、またツイッターなどは使えました。もし自宅まで徒歩で行くことが可能な場所に猫友がいれば、メールで連絡を取って様子をみてもらうことができます。是非ご近所に猫友をみつけておきましょう。

ケージやキャリーを活用しよう

もし部屋の中が家具やもので散乱してしまったら、猫の安全を考えてケージかキャリーバッグに隔離しましょう。もしかしたら猫は怯えや興奮から、慣れているはずの同居人に向かって威嚇するかもしれません。猫を抱き上げるときはいきなり上からではなく、先ず猫の目線まで腰を下ろし最初は優しく声をかけ猫の反応をみます。呼び声に反応するようでしたら、下から指を1本出して猫の鼻先に近づけてニオイを嗅がせます。

猫が避難箱に隠れているようでしたらその箱のままケージに入れて、ケージの上から毛布などで覆い暗くしてあげましょう。ほとんどの猫は怯えると声を出さなくなりますが、中には子供返りして母猫に助けを求めるように大きな声で鳴き続ける子もいます。抱きかかえてあやすと鳴きやむこともあります。また、食事をすると不安が解消される子もいます。猫が一番安心できて落ち着けるように気を配ってあげてください。

猫の精神状態を保つための合図を決めておく

地震に限らず、元々警戒心が強い性格の子は、たいしたことがなくても怯えて引きこもってしまうことがあります。聞き慣れない物音や振動だけでなく、同居人の不安感を感じ取って情緒不安になる猫もいます。

猫は本来、好奇心が強い動物なので、隠れていても興味を惹かれるものがあれば出て来やすくなります。猫が一番好きなおもちゃはどのタイプか、おもちゃの動かし方などを研究して必殺技をあみ出してください。また食事前には鈴を鳴らしたり、空き缶をスプーンでカンカン鳴らしたりなど、音で合図を決めて猫を呼ぶようにしておきます。決めた音が聞こえたら食事、という合図です。食事前の合図を決めておくと、万一猫が外に逃げたときの呼び戻しの合図としても有効な場合があります。

首輪+迷子札+マイクロチップ

どんなことをしても一緒に連れて逃げるつもりでも、場合によっては叶わないことがあります。また倒壊した家屋から猫が逃げ出してしまうこともあります。もしはぐれてしまったときのために、首輪と迷子札、そしてマイクロチップを挿入して猫の身元確認がしやすいようにしておきましょう。

迷子札をお忘れなく!

迷子札をお忘れなく!


わたしがベッドサイドに用意しているものは、スニーカーと厚手の靴下、そして懐中電灯です。とっさに飛び起きて逃げ出さなければいけないときにスニーカーを履く余裕があるかわかりませんが、持って逃げるだけでも後で役に立つかなと思っています。備えあれば憂いなしという言葉通り、心づもりとシミュレーションは欠かさないでください。

参考リンク→
「もしも?!」シリーズVol.2 大きな地震が起きたら!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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