都城市立美術館
~南九州の作家を中心に収集
南九州旅行をレンタカーも使って楽しむなら、ぜひ訪れたいのが鹿児島県からも近い宮崎県都城市。宮崎県で初の美術館として開館した都城市立美術館は宮崎県、鹿児島県などの南九州の近現代美術作品を中心に収集する美術館です。日本画家である山内多門や、洋画家の山田新一などの地元出身作家の作品のほか、この地の美術文化に直接または間接の影響を与えた人たちの作品のほか、また、高嶺格など若手作家の作品も収集しています。
鹿児島出身の世界的にも注目されている現代アーティスト、高嶺格の『憂鬱のアンギラス』は、美術館近くにある菊竹清訓設計の市民会館の解体騒動(その後、保存運動が実り保存が決定)をモチーフにしたインスタレーション。作者は地元の民家に泊まりこみ、一ヶ月ほど滞在してこの作品を制作しました。
山田新一は、都城で育った洋画家。エコール・ド・パリ(戦前、パリ周辺で暮らしていた画家たちの一派)の画家、佐伯祐三とも親交が深く、パリ留学時に彼の最期をみとったのも山田新一でした。現在、なかなか見ることができない戦争記録画(第二次世界大戦を応援するために描かれた絵画)を収集していたことでも知られています。
山内多門も都城で育った日本画家。室町より続く都城の美術の流れのなかで狩野派を学び、川合玉堂、橋本雅邦らに師事した彼は、聖徳記念館の壁画の一部も描いています。
美術館からほど近くには、都城島津邸をはじめ、島津発祥の地でもある都城が偲ばれるさまざまな歴史スポットがあり、美術だけでなく歴史もたっぷりと楽しめます。
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住所:宮崎県都城市姫城町7-18
TEL:0986-25-1447
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、展示替期間
入場料:常設展示は無料、特別展示は都度設定
情報サイト
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