オランウータンやサイチョウなどが暮らす熱帯雨林
“森の人”という意味のオランウータンや立派なクチバシをもつサイチョウ(ホーンビル)、垂れた鼻が印象的なテングザルなどの動物、そして世界最大の花のラフレシアや食虫植物のウツボカズラなどの植物、黒とブルーのコントラストが美しいラジャ・ブルック蝶など、ここでしか出会えない生き物も数多く生息するサラワク州。世界でも有数の豊かなエコシステムが、これら多様な生物たちの暮らしを支えています。今回訪れたセメンゴ野生動物センターは、クチンから約24km離れたオランウータンのリハビリセンターです。ケガを負ったり、親を失った孤児たちが野生に戻れるようサポートを行う、1975年に設立されたほぼ自然に近い環境の施設。熱帯雨林が広がる653ヘクタールの保護区に、ボスのリッチーを筆頭に目下26頭のオランウータンが生息しています。1日2回(9時と15時)、オランウータンのお食事風景を見学することもOK。森の中のプラットホームのような台の上で係員が餌を与えるところを、やや離れた位置から見守るスタイルです。
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■Semenggoh Wild life Centre
TEL:+60-82-618325
開園時間:8:00~12:30、13:30~17:15
セメンゴ野生動物センターのほかの、クチン近郊の国立公園
その他、クチン近郊の国立公園を。■バコ国立公園
マングローブ林から混交フタバガキ林など、7つの異なる植物相があり、環境も様々。ボルネオ島にしかいないテングザルや、銀色の毛なみが美しいシルバー・リーフ・モンキー、食虫植物のウツボカズラやアリと共生するアリ植物など、ユニークな動植物が生息しています。
■グヌン・ガディン国立公園
世界最大の花、ラフレシアが自生する国立公園。発芽から開花まで9カ月かかり、開花はわずか3~5日間。つぼみ状態を見られることは珍しくないけれど、開花に立ち会えるのはかなりラッキーなことです。運だめしに、いかがでしょう?
■クバ国立公園
フラバガキ科の巨木や数種の蘭が群生する熱帯雨林が広がる国立公園。全長50cmほどの小さなマメジカやヒゲイノシシなどが生息しています。