マレーシア/ボルネオ島

クチン/マレーシア・ボルネオ島(4ページ目)

羽田からアプローチできるマレーシアのボルネオ島の都市、クチン。かつて英国人が統治していた歴史や多くの民族が暮らすバックグラウンドが投影された街です。少し足を延ばせば、オランウータンなどの貴重な動植物が暮らす熱帯雨林や、昔ながらの暮らしを伝える先住民族に出会えます。ユニークな魅力が詰まった街、クチンを紹介します。

古関 千恵子

執筆者:古関 千恵子

ビーチガイド

イバン族など、26以上の民族が生活

マレーシアのクチン

脱穀の仕方など、先人の知恵が生かされた先住民の暮らし

今、マレーシアのスローガンは「One Malaysia」。さまざまな民族がひとつの国にお互いを尊重しながら、暮らしています。東マレーシアは少数民族がより多いのですが、サラワク州にはなんと26以上もの民族が。山奥に頑丈なロングハウスを築き、穏やかに暮らしたビダユー族。“放浪者”という意味を持つサラワク州の中で最も人口の多いイバン族。ビーズ刺繍の伝統工芸や「サペ」という弦楽器など芸術性に富んだオラン・ウルー族。沿岸地域に暮らし漁業や造船を生業とする、最もマレー風の生活習慣を取り入れたメラナウ族。ジャングルの奥深くを移動しながら吹き矢で獲物を捕まえ、サラワク州の最後の遊牧民族であるプナン族などなど。ほかに中国系やマレー系もいて、それぞれの民族が独自の祭りを行い、言語も45を超えるそうです。

民族文化に触れられるサラワク・カルチュラル・ビレッジ

マレーシアのクチン

敷地内に各民族の家屋が点在し、それぞれで習慣や文化について学ぶことができるサラワク・カルチュラル・ビレッジ。

そんな多様な民族の文化や習慣に触れられるテーマパークが、サラワク・カルチュラル・ビレッジ。クチンから車で約40分、サントボン山の麓、ダマイビーチ地区にあります。広大な敷地にそれぞれの民族の伝統建築様式の家屋が点在し、文化体験ができるのです。

たとえばプナン族の木と葉で作った家では2m近くありそうな長い吹き矢で的を狙う。オラン・ウルー族の急斜面に築かれた家で、6弦ギターのような「サペ」の演奏を聞くなど。1日2回(11:30~、16:00~)の伝統舞踊のショーも本格的です。

<DATA>
Sarawak Cultural Village
TEL+60-82-846411
開園時間:9:00~16:45

伝統的なロングハウスでホームステイも!

サラワク州の先住民族は、ひとつ屋根の下に数家族が集まって暮らします。その家をロングハウスと呼び、民族によって建築様式がやや変わるものの、高床式の長屋スタイルが基本。

実は、そのロングハウスに滞在し、生活を共にすることができます。本格的なロングハウス体験をするなら、イバン族のもとへ。クチンから車で約4時間、ボートで上流へ上っていた先にあります。狩猟や川で漁をおこない、焼畑や山菜とりをする、森の恵を生かした自給自足の生活。伝統舞踊や吹き矢、闘鶏などでゲストをもてなしてくれます。ロングハウスの下には家畜がいます。竹でできた床の隙間からこぼれおちる食べ物もエサにするそう。そんな生活の知恵も垣間見られます。

奥地に暮らすイバン族のロングハウスへ行くには時間がない……という方には、クチン周辺に暮らすビダユー族のロングハウスがおすすめ。滞在しなくても、日帰りの見学ツアーもあります。

<DATA>
インサー・ツアーズ&トラベル
TEL:+60-82-248112
e-mail:insar@tm.net.my(日本語対応)

取材協力/マレーシア航空サラワク州観光局
写真提供/マレーシア政府観光局
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