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デイトナ500で感じたアメリカンレースの偉大さ(2ページ目)

アメリカNo1の人気を誇るレースシリーズ「NASCAR」で最も重要なレース「デイトナ500」をガイドが生体験!20万人の観衆を集めた伝統のレースをレポートすると共に、NASCARレースの魅力についても解説します!

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド


 NASCARを構成する3つのレース 

NASCARの柱となるメインのレースシリーズは以下の3つです。
(1)「スプリントカップ」(通称:カップ)
冠スポンサー:スプリント(携帯電話)

(2)「ネイションワイドシリーズ」
冠スポンサー:ネイションワイド(保険会社)

(3)「キャンピングワールドトラックシリーズ」
(ピックアップトラック)
冠スポンサー:キャンピングワールド(キャンプ用品販売会社)

最高峰に位置づけられるのは「スプリントカップ」で、このクラスに参戦するカップカードライバーは多くのファンや国民から敬意を受ける人気者です。3つのレースが同じ週末に開催されることも多く、3つとも掛け持ちで参戦する選手もたくさん存在するところが日本やヨーロッパのレースとは大きく異なる点と言えます。

ダニカ

女性インディカードライバーのダニカ・パトリックはインディカーと重ならない週末に(2)の「ネイションワイドシリーズ」に参戦し、ストックカードライビングの腕を磨いている。将来はインディカーからの転向も視野にいれ、最高峰の「スプリントカップ」参戦を狙っている。今回のデイトナ「ネイションワイドシリーズ]のレースでは一時トップを走行し「同スピードウェイで初めてトップを走行した女性ドライバー」となった。


ビッグスリーとトヨタが対決

マーケットが米国に限られているために日本ではあまり報道がなされないNASCARですが、トヨタ自動車が外国メーカーとして唯一参戦しています。その相手となるのはもちろんアメリカのビッグスリー。かつてはビッグスリーのみで争われていたNASCARですが、トヨタは2004年のトラックシリーズ参戦を足がかりに2007年からは最高峰のカップに参戦。昨年はスプリントカップでデニー・ハムリンがランキング2位を獲得するなど、外国メーカー初のチャンピオン獲得まであと一歩の所にきています。
TOYOTA

NASCARスプリントカップのトヨタ・カムリ



【NASCAR各シリーズの参戦車種】
(1)スプリントカップ
シボレー(GM)・インパラ
フォード・フュージョン
ダッジ(クライスラー)・チャージャー
トヨタ・カムリ

(2)ネイションワイドシリーズ
シボレー(GM)・インパラ
フォード・マスタング
ダッジ(クライスラー)・チャレンジャー
トヨタ・カムリ

(3)キャンピングワールド・トラックシリーズ
シボレー(GM)・シルバラード
フォード・F-150
ダッジ(クライスラー)・ラム
トヨタ・タンドラ
トヨタ

トヨタは「ネクステルカップ」の強豪チーム、ジョー・ギブス・レーシングやレッドブルレーシングなどにトヨタ・カムリを供給。ドライバーもデニー・ハムリン、カイル・ブッシュ、マイケル・ウォルトリップなど優勝を狙える選手を数多く抱える。


 

 ストックカーはシンプルで単純明快

NASCARを戦う「ストックカー」は「市販車」と解釈できる意味になりますが、現在のマシンは「市販車に似せたレーシングカー」と言えるものです。

ストックカー

高速オーバルでのレースが多いためクラッシュの可能性が高いNASCARでは、安全性を考慮し、パイプフレームのロールゲージでドライバーを守るレーシングカーになっている。またコストの高騰を防ぐため、カウルは鉄製、エンジンは超オールドなキャブレターの5.8リッターV8を使用する。基本的にエンジンはメーカー間で異なるが、マシン、ボディの形は共通。異なる車種でもフロント部分が原車イメージに沿っているだけで、ライトもデザインも全てペイントでまかなわれている。


NASCARは上記の説明のように、クラッシュしても超低コストで修復でき、メーカー間の技術競争を制限するシステムを採用しています。NASCARではメーカーの都合や技術競争が重要視されていないのです。

日本やヨーロッパのレースですと、メーカーの参入で一時的には盛り上がりますが、やがて技術競争がコスト高騰を生み、規定変更を強いられたり、多くの場合はレース自体が消滅という道を歩むパターンが多いですから、考え方が大きく異なります。しかし、このNASCARの低コスト哲学こそが年間36戦もの大シリーズを実現できている最大の理由であり、長く続けられている理由なのです。そう、NASCARが重要視しているのは、自動車メーカーの参戦で賑わうよりも、レースファンが接近戦を楽しめることなのです。

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