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小児ガン患者の親の経済的負担にどう備えるべきか!?

年間およそ2500人が新たに罹患し、およそ1万6000人の子どもたちが今も闘っている「小児ガン」。筆者の知り合いの娘さんがガンにかかったことが「子どもにガン保険は必要か?」を考えるキッカケでした。

執筆者:小川 千尋

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小児ガンの医療費のほとんどは公費で賄われる

2年ほど前、筆者の知り合いのSさんの娘さん(R子ちゃん)が小児ガンにかかったと伝え聞きました。そのとき、R子ちゃんは2歳でした。まさか、知り合いのお子さんが小児ガンにかかるなんて思ってもいませんでした。

それからほどなくして、偶然、Sさんと会う機会があり、小児ガンを患っている子どもを持つ親の心境を聞いてみました。娘さんがガンだと告げられたとき、最初に「なんでウチの子が…」、次に「お金、どうしよう…?」の思いがよぎったそうです。このリアクションは、Sさんが後に小児ガンのお子さんを持つ親ごさんたちと話す機会があったときに聞いたところ、ほとんどの親ごさんが同じだったそうです。

「なんでウチの子が…」の疑問には永遠に答えは出ないでしょう。でも、「お金、どうしよう…?」の思いには、医療費はほとんどかからないという答えがすぐに得られました。小児ガンは健康保険診療の自己負担分(小学校入学前の子どもは2割)の医療費は、基本的に公費で賄われる「小児慢性特定疾患治療研究事業」の対象になっているからです。このことを病院関係者から聞き、胸をなでおろすとともに、健康保険とこうした制度が設けられていることに感謝したそうです。

小児ガンの治癒率は、現在7~8割。この7~8割に入るために、R子ちゃんは手術と放射線・抗ガン剤の治療を約1年にわたって受けました。

医療費以外の支出や収入減が負担に!

放射線と抗ガン剤の治療中は免疫力が落ちるので、人ごみの中を通院させられないと、Sさんは仕事を休んで車で送り迎えをしたそうです。Sさんは幸い自営業なので休みは比較的自由に取れましたが、その分、収入は激減。

治療を受けている病院が日帰りできる距離内にあれば、通院で宿泊することはありませんが、北海道などから東京の病院に治療を受けに来る親子もたくさんいて、親ごさんの宿泊費や交通費がバカにならないそうです。

宿泊費については、患者家族が病院近くで1泊数千円の安価な費用で利用でき、同じような病気を患っている子を持つ親同士が食事などをともにすることで精神的に支え合える施設があるので、だいぶ軽減されます。こういった施設を「ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス(HHH)」と言い、全国に百数十あるとされています。

つまり、医療費はほとんどかからないけれど、病院に通う交通費や宿泊費、親が仕事を休んで収入減に至ったときの負担が重いということ。

小児ガンに限らず、子どもが難病にかかると、親の経済的・精神的負担が重くなるのは否めません。それを少しでも軽くするためには社会全体のサポートが必要です。その取り組みとして医療費の助成制度やHHH、ゴールドリボン(小児ガンのシンボル)の活動などが行われています。

筆者は、子どもの医療費の備えは必要だと考えています。まず、小児ガンを含めた難病だけでなく、ちょっとした病気・ケガの入院にも備えられる医療保険か医療共済に入り、家計に余裕がある、とにかく小児ガンにかかったときが不安という場合はガン保険にも入ればいいと思います。0歳から入れる医療保険はまだ少ない状況ですが、子ども用の医療共済は0歳から入れます。



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