民主党のメンツが簡単な一元化を遠ざけている?
会社員と公務員の年金の一体化は、誰でも考えることで、昨今のニュースにも登場していますが、なかなか実行に慎重であるようです。なぜでしょうか。実は以前にも自民党政権下で同じこと(会社員と公務員の年金一元化)を法律まで作っていながら、民主党が審議に応じなかったため、成立しなかった過去があるのです。民主党も当時「やるなら全部を一体化させよう」とこだわっていたため、今さら自民党と同じことをやれないようです。
しかし、「簡単な一元化」と国民全員を対象とした本格的な一元化はどちらかを選ぶものではないと思います。今すぐできる会社員と公務員の年金の「簡単な一元化」を第1ステップとし、その後第2ステップとして自営業者との一元化(いわば「本格的な一元化」に進めばいいからです。これなら民主党のマニフェストに近づく第一歩といえますし、自民党の考えを実現するということにもなりますので、前進できるのではないでしょうか。
もし自民党の考えが合理的であったのであれば、民主党は素直に認めて審議をすればいいのです。別に同じことを法案化してはいけないという決まりはないのです(例えば、401kの改正法案は自民党提出法案とほぼそのままを民主党政権下で提出し議論されています)。
そして、自民党と同じ案を出していたのに、それに反対するのは自民党としては大人げないですよ、というような雰囲気作りをすればいいのです(そういう駆け引きは決定的に下手なのが現在の政権なのですが)。
民主党の中にも「マニフェストの放棄」とこれを批判する人が多いようですが、卑下する必要はないと思います。マニフェストを実現するための前進とすればいいのです。マスコミも、合理的な判断であれば自民党案を丸ごと採用することもアリ、と報道してはどうかな、と思います。
(こういうステップを踏む限り、その先は超党派で議論するほかなくなり、これもまた、年金の議論にとってはいいことだと思います)
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